アトリエ・ダンカンプロデュース『風が強く吹いている』@ル テアトル銀座

内容に触れているのととても長いのととてもきもちわるいので隠します。




テア銀に通わなくなり早5日。ようやくアオタケメンバーに会えない生活にも慣れてきました・・・ってわたし何者w。
まだ地方公演が残ってますが、大きな怪我やアクシデントもなくまずは無事に東京公演が終わってよかったです。ここでひとまずキャストの皆さんスタッフの皆さんにお疲れ様でした!と言いたいです。
わたし、この舞台が大好きです。全員が主役といっていいぐらいの青春群像劇なのですが、“舞台”という場において経験値からくる演技力・表現力の差というものはやはりあります。発声とか舞台上で映える(伝わる)表情の作り方とか、才能はあるだろうけど基本は舞台で経験積んでナンボの世界なのだと思う。で、この舞台上に立つアオタケメンバー始めキャストの皆さんの舞台スキルってのは初舞台の人もいれば劇団に所属してる人もいれば超ベテランさんもいて、見事にバラバラだった。でもそれが全く気にならなかった。初めは走力がバラバラで最低ラインに達することすら無謀だと思われたものの1人1人が自分に出来るペースで努力し箱根への切符を掴んだ寛政大学陸上部のように、助け合ってというのとはちょっと違うと思うのだけど、今その人が出来る精一杯の力を出し切った結果、力の差を超越したところで舞台上の全てのキャストが一体化してた・・・と思う。
全員で一つというかね、まさに全員でこの物語を表現してるって気がしたの。誰か1人欠けても絶対にこの空気感は出なかったはず。それは藤岡や榊も含めて。初見の感想でも書きましたが、ほんとになんでもないシーン、それもセリフを喋ってる人以外の人達の絡みや仕草や表情を見てると涙出てきちゃうんだよねー。なんか胸があったかくなったりキューっと締め付けられたり切なくなったりして、じんわ〜って涙が出ちゃうんだよな。言葉(セリフ)とか演出とかそういう目に見える(聞こえる)ところではなく、もちろんそこでも感動はするんだけど、もっと見えない“何か”が心に訴えてくるし浸み込んでくるの。前述の通り舞台素人同然の人が何人もいるってのにこの出来はまさに異常!。寛政大学が箱根に出場できたことと同じように、もしかしたらこの舞台も奇跡のような舞台と言えるのかもしれない。

この舞台の詳細が発表になった時にお友達が演出の鈴木裕美さんのことを「若い男の子を演出するのが上手いよ」と教えてくれたのですが、きっと鈴木さんの腕によるところも大きいのだろうなぁ。その人の一番いいところ、可愛いところを引き出すのが上手い人なのだと思う。
もうね、ほんっっっっっとに全員可愛かった!!見た目がどうとかではなくw存在が!漫画っぽい話なんであえてキャラという言葉を使いますが、全てのキャラがハズレなしなのよ!!!もちろん原作のキャラ立てからして素晴らしいんだけどね、誰一人イメージと違うことなく可愛くてイイ奴らが目の前に存在してるって感じだったのよね。原作が大好きで何度も読んでその度に泣きそうになるぐらいなので(さすがにもう大泣きすることはなくなりましたw)舞台上で描かれている以上のものを頭の中で補ってる部分は多分かなりあるとは思うのだけど、自然に頭の中にあるイメージやらなにやらを舞台上の隙間に埋め込める、舞台で動いている人達の背後に無理なく見ることが出来るってのはキャラが完璧だからこそ、だと思う。
とにかくオフの動き、セリフを言ってる人以外の人達の動きが素晴らしいんだよね。わたしがよく行く若手イケメン俳優舞台(と言えば大体どんなもんかわかりますよね^^)ではセリフ言ってる人を舞台上の全員がただボーっと見てるだけってことがよくあるのね。そういうシチュエーションならいいのよ。言葉が強すぎて動けないとか、全員が息を潜めて聞いているとかそういう場面ならば。そうでない場合、舞台慣れしてる役者であれば演出がつかなくても自分でどうにかすると思うのね。でも経験不足の若手は、まぁ若手に限ったことでもないのかもだけど、それができないんだ。多分、自分が“見られてる”という意識が薄いんだと思う。
そりゃ観客の目は基本セリフ言ってる人に向いてるけどね、映像みたいにアップになるわけじゃなし、舞台上にいる人あるもの全て意識的にせよ無意識にせよ、見えてるんだよね。だからその部分をどれだけ手抜きせず気を使えるかってのが舞台の厚みを左右するんだとわたしは思う。特に大人数の群像劇では。その点この舞台は自信を持って満点上げられるわ!。動きがあるだけじゃなくて、それぞれがちゃんとキャラにあった動きをしてるのはもちろんのこと、次の展開とちゃんと連動した動きをしてるのが素晴らしい。アオタケメンバーだけでも10人もいるから時間の制約がある舞台では1人1人の説明やらアオタケ内での人間関係(誰と誰が気があってるのかなど)なんかにさほど時間をかけられないわけで、でも原作既読ということを差し引いてもそこらへんがちゃんと伝わってきたのはこのオフの動きがしっかりしてたからこそだったと思う。
それから、1年という時間と箱根駅伝というスケールの大きな素材をとんでもなく少ない動き(セットチェンジ1回)で表現するための計算と気遣いも素晴らしかったと思います。アオタケの入り口扉のガラガラって音とかギシギシ鳴る階段とか、過去におこした暴行事件について榊やハイジさんに説明し「これでもう走らなくてすむと思った!」とカケルが叫んだ直後のリンッリンッという風鈴の音など効果音がまさに“効果”音って感じで雰囲気作りと心情表現に一役買っててね、そしてなんと言ってもこの舞台の裏MVPは間違いなく台所(キッチンではなく絶対に台所と呼びたいw)と居間の間にかけられた玉暖簾ですよ!!!あのジャラジャラって音と動きがいろんなツボを刺激するわけですよw。見た人は絶対わかると思うのだけど、あれが玉暖簾でなく布の暖簾だとしたらアオタケ臭半減よ!玉暖簾一つで半減!!玉暖簾まじGJ!!!!!。
小道具と言えば一つ気になることがあったんだけど、テレビ(これがまたちゃんと映るのかと思うような14インチぐらいの外装が赤いブラウン管テレビ。メーカーは懐かしのAIWAだと思うわw)の上にパグのぬいぐるみがあったんだけど、もしかしてニラってパク設定なの!?イメージではザ・そこらへんの犬(雑種)だからパグだとしたら若干ショックだわw。


初見感想でも書きましたが、とにかく登場人物の関係性と距離感が理想通りで毎回毎回嬉しくてたまりませんでした。東京楽公演はみんなそれまでで一番の熱演で、王子がついに予選参加資格が得られるタイムを出したお祝いをしようと盛り上がるなか水を差すようなことを言うカケルに双子が食って掛かり止めに入ったハイジさんが倒れちゃう場面とか三人とも何言ってんだかわからないほどだったのですが、でもそれがリアルというか・・・真剣だからこそ気持ちに口が追いつかないって感じで本気で怒鳴りあってるのがビンビン伝わってきて、これはこれですごくよかったと思う。それにこの言い合いって同い年の若い末っ子三人だからこそなんだよね。カケルの走りの凄さは全員が認めるところなんだけど、先輩たちは自分から周りとの間に壁を作ってるカケルに言葉をかけあぐんでるというか、一歩引いてしまうところがあるんだよね。でも双子は同じ年だからこそ憧れや怒りや嫉妬心をむき出しにして同じ目線で食ってかかれるの。そういうものがあのシーンからダイレクトに伝わってきた。
それに、この場面って先にカケルに食ってかかるのがジョージなんだよね。双子ではあるんだけど、ジョータが兄でジョージが弟だという意識があるのかなぁ?特に会話時は基本まずジョータが先でジョージが追随するって感じなのね。でもこの場面ではまずジョージなの。それが駅伝シーンでジョータが言う「ジョージは走ることが好きになり始めてる。俺はここまでだけどジョージはきっともっと速くなる」ってのに繋がるんだよね。走るということに関してはジョータよりもジョージのほうがもうこの時点で熱いんだよね。どうしても展開がダイジェストになってしまう分、伏線じゃないけどこうやって丁寧に段階を踏んでるの。
キングが自分は浮いてると感じてるってことも、ニコチャン先輩とユキが残った日本酒を開けちゃおうぜといながら2人で飲んでるところに入りたいけど入れない・・・という逡巡を一瞬見せたりね、走りながら浮いてる自分について思いを馳せるキングの言葉を聞きながら思い返してみると、そういやキングって誰かと2人(サシ)で話をしたりしてなかったし、全員でワイワイやってる時は誰よりも楽しんでるっぽいんだけどいつも“大勢の中の1人”だったよなぁと気づくわけですよ。テレビのクイズ番組で出される問題にテレビの中の回答者より先に答えることに喜びや楽しみを見出してるってのもさ、誰かと繋がりたいって気持ちの表れだと思うのね。原作何度か読んでもそんな風に感じたことはなかったからこれは新しい発見だった。舞台で実際にワチャワチャやるアオタケメンバーを見れたからこそ感じたことだと思う。
あとハイジさんと王子の関係性も。運動が苦手な王子に対して王子に届く言葉で王子のやる気を引っ張りだしたハイジさん。きっと王子はそれが嬉しかったのだと思う。それって自分をちゃんと見てくれてるってことだから。そんなハイジさんが目指すものだから王子も頑張れたのだと思う。そういう2人の繋がりがあるからこそ、「つきあわせてゴメンじゃなくて、一緒に走ってくれてありがとう」ってハイジさんの言葉に王子がすごく満足げな笑顔を浮かべたんだよね。こここの舞台で好きなシーンの一つなんだけど、毎回泣きながらwセリフに血が通うってこういうことなんだろうなぁって思ってた。後述しますが王子役の松本くんがめちゃめちゃイイんだこれがまた!。
好きなシーンと言えば、実のところ一番好きなセリフはハイジさんが倒れたことで心入れ替えて本気で箱根目指します宣言したカケルに「今更!?」「じゃあ今までのは何だったの!?」と驚き引き呆れるアオタケメンバーがニコチャン先輩発案の気合入れをしようぜってことでカケルを輪の中に呼び込むところの
「お前は立派な変態だ!(サムズアップ)。そんな水着みたいなかっこして!この変態がっ!!」(byキング)
でしたw。水着みたいなカッコってのは陸上選手がはく足首まであるスパッツのことねw。走ることにおいては次元が違うだけでなく口下手で気持ちを上手く表現できないカケルが本当の意味でアオタケメンバーの一員になった瞬間で、そんなカケルの手を引っ張って仲間に引き入れたのが自分は浮いてると思ってるキングだってのが泣かせるわけですよ!!しかもキング役の瀧川英次さんのセリフの言い方といいタイミングといい最高なんだもんwww。

原作好きとしては原作の良さを余すところなく見せてくれたとはさすがに言い切れないものの(それを3時間弱の舞台でやろうってのはさすがに無理な話です)、少なくともわたしがイメージするアオタケの空気感がそこにあったことは確か。アオタケの住人たちがそこにいたことだけは確か。これに関してはある意味完コピ!完全実写化!!(実写じゃないけどw)舞台版アオタケ最高!!!!!。



以下はお目当てキャストについての感想です。
まず主演の黄川田。実はわたし黄川田のことあんまり好きじゃなくてw、サキエルさん(ギラギラ)とかミッキー(マイボス)とか好きな役は結構あるんだけどでも黄川田自体は好きじゃなくて、わたしの憧れであるハイジさん役が黄川田と知った時は正直ガッカリしました。舞台も初舞台だって言うしイメージと全然違うし(わたしの中では福士くんのイメージでした)髪形ヘンだしwやだーって思った。でも今はハイジさんが黄川田でよかったと心底思ってます。それどころか黄川田ラヴ☆になりつつすらあるw。黄川田ってちょっと変態チックなところあるじゃないですか。ハイジさんも変態なんですよねw。変態というより偏執と言ったほうが正しいか。目標に向かって突き進む姿勢が熱心通りこして偏執って感じなのw。そういう常人じゃないオーラが黄川田と通じるものがあった。つまりナイスキャスティングってことなのよ。わかってないのはわたしの方でした。例えば王子が自分は駅伝に限らずスポーツに向いてないと必死に訴えてるのを笑みを浮かべて「うんうん」と言いながら聞きつつも、ニッコリ笑って「キミの言いたいことは分かった。でもキミは駅伝に向いてると思うよ」って結局有無を言わさず引きずりこむその蛇のような目が!ニッコリ笑いながらも目だけは笑ってないところが!!まさに狙った獲物は逃さないというハイジさんの執念を感じましたw。なんかいろいろとひどいこと言ってるように聞こえるでしょうが、これ褒めてますからね?w。
黄川田ハイジさん最大の見せ場は間違いなくアンカーとして10区を走るラストの場面なのですが、ここ演出が本当に卑怯でね、古傷が再発し痛みを堪えて走りながらカケルがアオタケにやってきたその日のことを、箱根を目指そうとハイジさんがぶち上げたその日のことを回想するわけです。スクリーンによろよろと走るハイジさんのシルエットが映り、実際の黄川田は精魂尽き果てた感じで立ちつくすことでハイジさんの空っぽな心というか・・・きっとその回想のこと以外何も感じてないんだろうなぁって、痛みもなにもかも今のハイジさんの中にはないんだろうなぁって、そういうものが伝わってきて、そんなハイジさんの背後(八百屋台状の舞台)でハイジさん以外の9人があの日の服装のまんまであの日の通りの会話を実際にするわけですよ。仲間たちを見ながら魂抜けちゃったみたいな声で「キングゥー、ムタ、神童ぉ、ユキ、ニコチャンせんぱぁーい。ジョータジョージ。王子ぃー。・・・カケルぅー」って涙ボロッボロ流しながら一人ひとりに呼びかけるのね。卑怯でしょ!!。そんでハイジさんが振り返って(客席に背を向けて)仲間を見るとね、仲間たちはもうとんでもなく素敵な笑顔でハイジさんに笑いかけるわけですよ!!ハイジ、ありがとう!!って口に出しこそしないけど全員がハイジさんに感謝してるのがひしひしと伝わってくるのね。ここは毎回ボロ泣きでしたよ・・・つーか今感想書きながらも涙ぐんでるし・・・。実はわたしの中でハイジさんは泣くイメージがなかったんで最初の頃はここでハイジさんがこういう感情の表しかたをするってのに若干の違和感を覚えてたんですが、4回目で原作のハイジさんはみんなと一緒にいながらもどこか孤高というか一段上の場所にいるような感じを受けていたんだけど、黄川田のハイジさんはみんなの“お兄ちゃん”みたいな感じだなぁと気付き、むしろ原作よりも人間味が強いというかハイジさんもみんなと同じ大学生なんだなぁ・・・と思えて、そしたらこのボロ泣きハイジさんが俄然愛おしくそして身近に思えてしまって、ようやくハイジさんは背負ってたものを降ろすことが出来たんだなぁ・・・って泣けるようになりましたw。
でさー、黄川田のヤローがさーwこれまた卑怯なのよ!!!。舞台上でボロ泣きした直後に暗転し、アナウンサーと解説者が今年の箱根駅伝総括をしてる背後でセットがアオタケにチェンジされ、その後のアオタケメンバーたちってのがほんのちょっぴり描かれるのね。そこでハイジさんは箱根でキングと約束した(この約束がまたいいのよ!ハイジさんが電話で「終わったら就職活動手伝うから」と約束するんだけど、キングは走りながら「留年して来年も一緒に走ろうとは言ってくれないんだな・・・」って呟くの!)就職活動の手伝いをしてて、具体的にはスーツのズボンにアイロンをかけてあげてるんだけど(テラママンw)、右足を引きずってるんだよね・・・・・・・・・原作ではコーチとして再出発してるという描写があるんだけど、舞台のハイジさんはただ足を引きずってる、つまりもう走ることはできないという事実しかないの。そんなハイジさんをみつめるカケルの表情が辛そうとか申し訳なさそうとかでなく、強いていうなら寂しそう・・・なのがハイジさんは後悔してないことを表してはいると思うのだけど。そんなホロ苦いラストシーンで幕が下りるから(実際に幕はないけど)、観客としてはなんていうか・・・切ないというか複雑な気持ちでいるわけじゃないですか。その原因はハイジさんなわけじゃないですか!その当事者たる黄川田ったらね、今日もやり切った!!って感じのめちゃめちゃいい笑顔で挨拶するんだけど目がまだ真っ赤なのよ!!!!!そんな状態で最前のわたしにニーーーーーーッコリ笑いかけてくるわけよ!!!!!!!!はいノックアウト(笑)わたし完全ノックアウト(笑)。仕方ないじゃないのよおおおおおおおおおおおおおお!文句言いたいやつはまずこの黄川田を見てからにしやがれ!!。・・・でもやっぱり好きじゃないけどねっ(どうぞ思う存分蔑んでください)


黄川田ハイジさんのいいところのひとつがメンバー中一番の高身長(ですよね?)ということなのですが、ちんまんぺのキャワさと匹敵する勢いでモエまくったのが松本慎也くん演じる王子とハイジさんとの身長差でした。わたし可愛い男の子がスラっと背の高いイケメンを見上げる図ってのが大好物なのですが、その点このハイジさんをみつめる王子の図ってのはかんっぺき!!!!!でございました。具体的に言うとスタート前のシーンなんだけど、松本くんが駅伝コスwしてるのも相まって超絶モエシーンでございました。つーか松本くんイイ!!ものすごくよかったわ!!!さほど見たことあるわけではないのですが所属劇団(Studio Life)の時よりはるかに魅力を感じました。普通の男の子役だってのもあるだろうけど(でもある意味ヒロインポジw)、存在感が独特でやっぱり中性的なところがあるし、自己紹介で「王子でいいよ」とサラっと言っても違和感なしなところはさすがだなとw。まーキングやニコチャン先輩たちに「王子でいいよて!!自分で言っちゃったよ!!」って突っ込まれてたけどw。それに舞台演技の面においてもさすがだなと思いました。小声で喋っててもちゃんとセリフが聞こえるし、視線の動かし方なんかが大きいんだけど自然なんだよね。これはキング役の瀧川英次さんやニコチャン先輩役の鍛治直人さんもそうだった。こういうところをちんまんぺがどれだけ吸収してくれたか今後の舞台が楽しみです。
そうだ。松本くん演じる王子って漫画オタクなのですが、運動オンチの自分を表すのに「安仁屋恵壹みたいなボールを投げたり越前リョーマみたいなサーブも打てないし」って言ってたわw。客層を良くわかってらっしゃるw。


ハイジさんとの身長差と言えば、もうひとりの主演である和田との身長差もなかなかのモノだったんだけど・・・・・・・・・・・・わたしが好きなのは“可愛い男の子”が見上げる姿なので・・・・・・w。カケルがハイジさんに襷渡す場面はもう周り一切見えないって感じで熱烈なる2人だけの空間だったのにクソッぜんぜんモエられなかった・・・・・・w。和田はねー、多分箱根経験者ってことで和田=カケルありきの企画だったんじゃないかなーって気がしなくもないんであんまり言うのもなんなんですが、やっぱカケルじゃねーべw。いくらなんでも和田のおっちゃんがカケルはねーべw。カケルって内面はものすごく熱いんだけど走るしか脳がない口下手童貞(笑)だから言いたいことをうまく表現できなくてワーーーー!!って癇癪おこすメンドクサイ馬鹿なんだけどw、そういう子供っぽさみたいなものが和田のカケルからは感じとれなかった。精一杯叫んではいたんだけど、内面から湧き上がってくる熱情には見えなかったな。同い年の役を演じてるちんまんぺがキラキラでキャワキャワなだけにより一層カケルにしちゃ老け(ry・・・みたいなねw。
でも箱根シーンはさすがのオーラでした。走りが綺麗なのはもちろんなんだけど、アップの仕方が1人だけ本物だったw。何度見てもついついちんまんぺばかり見てしまうので全員を見たわけではありませんが、少なくともちんまんぺのアップとはぜんっぜん動きが違いました。身体に沁みついた動きだった。この時ばかりはさすが和田!!と毎回感心いたしました。
そうそう。東京楽のWカテコで和田が襷を持って出てきて高々と掲げて黄川田に渡し、黄川田がその襷を両手で空高く持ち上げてガッツポーズしたのは感動したわー。舞台中でゴールシーンはないからハイジさんのそんな姿を見られないから、すっごく嬉しかったな。


そんなカケルのもう一人の同級生が荒木演じる榊です。荒木は自分でもブログに書いてたけど、辛いというかキツイ役だと思う。役の立場的にも性格的にも誰とも馴染むことを許されないし、なにより公演中ずーっと怒りとか憤りとかそういう感情を維持し続けるのって想像以上にキツイことなんだと思います。それを踏まえた上で言いますが、アオタケメンバーはみんな初回から同じレベルを維持してたんだけど(初回からレベルが高かったということです)、荒木だけはかなり不安定だったと思う。自分でもそう思ってたみたいだけど、見てるわたしもなんか違うなぁ・・・と感じてました。そもそもずっと走ること一筋でやって来てスパルタ高校から体育大学に入学した“1年生”が金髪にするか?って話だしね。キャラの性格と外見があまりにも不釣合いなんだよね。最終的には落ち着いた茶色になってたんだけど、ほんとなんで最初はあんな髪色だったんだろう・・・。多分荒木自身もそこいらへんの座りの悪さを感じてて、それが演技にも出てたんじゃないかなぁという気がしました。髪色だけの問題じゃないだろうけど、髪色が落ち着いた後半、特に楽公演は前半がそうだった分、ものすっごく良く見えました。最初のころは単なる怒りしか感じなかった榊の言葉の中に、どうしようもない羨望を感じました。そしてそれでも諦めない強さを感じた。間違いなく天才ではないわたしは、最終的に榊に対して一番共感を覚えました。どうしようもなく羨ましいんだよね。生き生きと走るカケルが、カケルと走ることができる寛政大学陸上部が。藤岡が清瀬と一緒のチームで走りたかったと言ったように、榊もカケルと走りたかったんだと思う。いつかお前を抜いてやるという目標でいてほしかったんだと思う。そういう想いが最終的に榊の言葉からダイレクトに響きました。ユニフォーム姿で走るカケルを見る表情が初回と楽では段違いだったもん。強烈な嫉妬心とどうしようもない憧れ・・・自分がどれほど頑張っても追いつけない走りに選ばれた存在なんだってことを痛感しながらでもだからといって走ることをやめられない。だから俺はお前を認めない。どこまでだって追いかけてやる。ほんの一瞬だけのシーンなのですが、そういう複雑な想いと強い決意が伝わってくるいい表情でした。一番成長したのは荒木なのかもしれないな。


譲二も良かったなぁ。イメージ通りの神童でした。おっとりしてて優しいんだけどでもそれは本当の優しさではない・・・。そんな悩みというか想いを抱えているに男にこれほど相応しい人もいないでしょう!w。高熱を押して山登りをするという過酷な役なのですが、走り終えて倒れこむのとかまじ完璧!!いろいろと大変なこともあっただろうけど、今となっては神童はジョージ以外には考えられないもの。


ちんまんぺに関しては冷静な感想をかけません。シューズとかダウンとか、ジョータのイメージカラーは青(寒色系)でジョージが赤(暖色系)なのねーとか、双子なのにシャンプーとトリートメントは違うの使ってるんだ!(ボトルの色が違ってた)とかそんなことしかかけません^^。とにかく可愛すぎた!!兄弟(双子)で同じ女を好きになるという某特撮だったら殺し合いに発展するような設定にも関わらず、相手も自分“達”のことを好きかも!と思い至った途端に一年間の苦労を経ての本番<<<<<<<<<<<<<<<<<<<愛しのハナちゃんになっちゃうというほんっとにバカ双子なんだけど、これが間違いなく可愛い!そしてその可愛さは役として正しいのです!!まさに適役とはこのこと!!!双子が双子として初めて同じ舞台に立った記念すべき舞台がこんなにも素敵で可愛い舞台であることに感謝します。幸せすぎる時間をありがとうちんまんぺ!ちんぺはわたしにとって神となりましたw。



まだまだこんなもんじゃこの舞台から受け取ったトキメキを語ったとは到底言えないぐらいなのですが、とにかくこの人達のキャワっぷりと熱さは一見の価値があるってことだけは確かです。これから地方公演が控えてますが、もしも行こうか迷ってる人がこれを読んでくださったとしたら、絶対に観て損はないです!と全力で背中を押します!!騙されたと思って観て!!