- 作者: 日向旦
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2006/06/27
- メディア: 単行本
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第15回鮎川哲也賞佳作受賞作。なんだか不思議な話でした。関空の近くにある架空の町が舞台なのですが、日本であって日本じゃないような、不思議な感覚。物語のタイプは真逆ですが、この感覚はちょっとだけ内海文三に似てるかも。それからなんとなくなんだけど、色彩鮮やかな猥雑さと登場人物がどいつもこいつもクセ者だらけってあたりにジブリっぽい雰囲気を感じました。作中に思いっきり他作品のネタバレがあってオイオイいいのかよ!?って驚いた。まぁ全く知らない作品なので、本当にネタバレしてるのかどうか分かりませんでしたけど(山田正紀氏の解説を読むと、どうやらマジでネタバレしてるようです)。
結構な情報網というかツテをお持ちのタッキーはほんとのところ何をやってる人なのか?とか毒蛇ってなにさ?とか市長とモールの関係って本音の部分ではどうなのよ?とか???と思うことがいくつもあってちょっと消化不良なのですが、それもまた不思議な物語を演出する要素ということでまぁいいかなという気分。飄々としているからか、なんとなく好意的に受け止められる。人物造詣や物語の雰囲気はとてもいいと思うので、次作に期待。