北森 鴻『写楽・考』

異端の民俗学者、蓮丈那智フィールドファイル第Ⅲ弾。
那智先生の研究室に若い女性の助手が加わりました。那智先生に弄ばれるミクニの図が好きな私としては、正直邪魔。表題作以外はかなり小粒で、完全にパターン化してる上、取り扱ってる題材も一般的ではなく(私が無知なだけかもしれないけど)、退屈だった。その分、表題作は那智のピンチを救うためにミクニが奔走し、冬狐堂や狐目の教務部主任(ついに名前が明らかになります)も加わり、結構なスケールの話で読み応えあり。私にもっと発想力があったなら・・・と思う。シリーズ通しての展開に乏しいもんで、そろそろ飽きてきたなぁと思ってたのですが、狐目主任が民俗学会に復帰することになりそうなので、次作はちょっと変わるかもしれません。

オマケ:先日放送されたキムタエ主演の「凶笑面」ですが、キムタエの那智先生はやっぱりちょっと違うなぁ。もっとキリっとした印象なのよね、那智先生は。文中にも中性的とあるじゃないですか。キムタエ那智は女らしすぎ。岡田ミクニは結構よかったと思うんだけど「ミクニ」と呼ばれて固まる感じがいま一歩かなぁ。原作の雰囲気を出し切れず、普通の2時間ドラマになっちゃってたので、ちょっとガッカリしたのですが、シリーズ化してもらえるのだろうか。