劇団☆新感線『吉原御免状』@青山劇場

終わった〜。俺の吉原終わりました。初日近くに2階席で見て、あとI列上手側とD列センターブロック(!)と3回見れました。

軽くネタバレあります。
とにかくもう、堤真一は美しい。ただその一言に尽きる。
最初は山から出てきたもっさい男で、見かけだけじゃなく剣も荒々しいというか、野性味溢れる感じなんだけど、話が進むにつれて洗練されていく様がよーく分かる。アイドルのコンサートかよ!と思うほどの衣装チェンジのおかげってのもあるけどね。後半の白い着物姿なんて「ひぃぃぃぃ〜〜〜」って感じ。一緒に行った堤オタ友(初新感線)なんてマジで泣いてました。「すいません、つっつんもう勘弁してくださいー素敵すぎて死にそうですー」とかワケわからんこと言ってました。ふんどし姿は微妙・・・でしたけど。あ、でも殺陣の最中に足をガバっと開いた瞬間に見えるふんどしはイイ!堤の殺陣ってキメポーズがイチイチ美しいのよね。そして足首が細い!そして腕の筋肉が美しい!いちいち殺陣の前で腕まくりするのやめてー(素敵すぎるから)。
基本的に舞台でも映画でも原作を読んでから見る派な俺でして、今回もそのつもりでいたのに、それほど沢山の本屋回ったわけじゃないんだけど(7軒)、これが売ってないの。まぁ常に在庫があるような本でもないのかもしれないけど、これは完全に舞台対策だなと。そんなわけで、初回は分かるかな(まぁ新感線の舞台はそんなに難しいことやらないし、例え話が分からなかったとしても見てるだけで楽しめる部分があるんだけど)とちょっぴり不安だったりしたんだけど、ものすごーく分かりやすかった。というか、セリフで説明しすぎ。「あのシーンってどういうこと?」って思う必要一切なし。
内容が濃い上に青山劇場は終了時間制限が厳しいそうで、短い時間で詰め込まなきゃならなくて、大変なんだろうなぁとは思うけど、テンポ1.5倍速ってな感じで、殺陣がぶつ切りというか、合間にセリフを言わなきゃならないから、カキーン!シャキーン“セリフ”チャリーン!“セリフ”な状態で、あと1テンポ分殺陣が見たいのにーと思った。でもちょっと殺陣がワンパターン。殺陣だけでなく、舞台転換もめまぐるしい。正直チケット代高いな・・・と思ってたのですが、あの舞台装置を見たら、オッケー!許す!よく頑張った!と思うしかない。ゴージャスってわけでもないんだけど、よく考えてるなぁと。京野ことみ演じる高尾太夫の舞のシーンだけは「・・・・・・」だったけど、それ以外はスムーズな転換で、醒める瞬間がなかった。OPの花魁道中から始まって「吉原御免状」文字を提灯(でいいんですかアレ?)でバーンッと見せられる瞬間は、ほんとキター!って感じでゾクゾクしました。派手で下品で素晴らしい。

堤さんに関しては最初に書いたとおり、とにかくとにかくカッコよく、義仙を討ち、全てが終わった後の「俺の中にも鬼がいたよ・・・勝山ぁー・・・」の切なさと言ったらもうもうもう・・・。誠さんにマジ惚れです。
そして松雪さんが綺麗で綺麗で綺麗で・・・。そしてエロい。下品なエロさではなく筋の通ったエロさ。かなり激しい役なのですが、熱演です。ちょっと異端で謎めいていて、強くて脆くて激しくて、そしていかにも企んでいそうな感じがピッタリ。特に声が勝山太夫という人に合ってると思った。「主さんに・・・惚れんした・・・」は鳥肌立ちました。泣くの堪えた。
梶原さんはいかにもな感じで、想像通り。堤とのコンビはいいですね。
京野ことみはちょっと弱かった。勝山が女ならば高尾は母ということなんだろうけど、包み込むような母性はなかった。太夫としての所作も貫禄みたいなもんがなくて、危なっかしい感じすらしました。
そしておひょいさん・・・・・・。いやー、怖かった(笑。佇まいは素晴らしいんですよ。いかにも長老って感じだし、風情があったの。でも、肝心の演技がね、セリフの間なんだかセリフが出てこないんだか分かんなくて、回りの役者さんたちがものっそい緊張してるのが分かるんだもん。しかも結構重要なセリフを言わなくちゃならないんですよ、おひょいさんが。あんなにハラハラした舞台ってないかも(笑。仁さんお疲れ様です、みたいな。
劇団員さんは、笑いがほとんどなかったせいかエキス不足気味。とにかくみんな笑わせないし笑わない。右近さんが「ざんす」て言わない。特に粟根不足。数少ない出番を見逃さないように必死ですよもう。過去シーンでのべらんめぇ粟根のヘタレっぷりにウットリ(頭湧いててすいません)。つーか眼鏡!眼鏡かけてなーい!!そしてじゅんさんのアドリブ一切なし!古田さんとじゅんさんが2人きりで舞台に立っているのに、何この妙な緊迫感。初回に見た時は、誠さんの存在感に比べて対する義仙が単なる悪人としか思えなくて、不満を感じていたのですが、2度目と3度目では誠さんとのラストバトルで「ようやく人間らしくなってきたな」と嬉しそうに言う義仙を見て、ああ、この人も複雑なんだなぁ・・・ってなんか沁みました。あと凍りつくようなギャグを言わないサンボちゃんがなんだか不思議でした。あと何気に頑張ってんなーと思ったのがメタルさん。
見てる間中も、見終わった後も「いい舞台だけど、新感線でなくてもいいんじゃないか?」と思ってたんだけど、パンフでいのうえさんのコメントを読んで、ちょっと納得。見る側も成長しなきゃな・・・とちょっとだけ思う。

つーか大阪も行きてぇぇぇぇ。