奥田 英朗『町長選挙』

町長選挙

精神科医・伊良部一郎シリーズ。
前作は患者が訴える症状に笑いがありましたが、今回は表題作を除き、実在の人物のパロディ、実際に起こった出来事のパロディという感じ。文芸誌に掲載された時はタイムリーな話題だったのでしょうが、もはや遠い出来事のように感じられまして、時が経つのは早いなぁ･･･と笑いながらも哀愁気分。正直手抜き感は否めませんが、誰もが知ってる人物や出来事をここまで軽いエンターテイメントに仕立て上げるのはさすがです。
というか伊良部先生だから何やってもいいよもう（笑）という感じ。「こんばんわんこ蕎麦」で全て許すよ。伊良部先生バカすぎ（笑）ただ前2作と比べると、伊良部先生のバカっぷりが普通。普通と言ってもいわゆる普通ではないんだけど、割とちゃんとしたこと言ってたりして、もしかして成長しちゃってるとか？表題作なんてもはや“トンデモ精神科医”の設定がほとんど意味を成してませんが、あったかい気持ちになれたからいいや。伊良部先生ならなんでもいいや。