山之内 正文『青い繭の中でみる夢』

青い繭の中でみる夢

青い繭の中でみる夢

母、16歳出産。4年間ひきこもり。この帯文に猛烈引き寄せられましたよ。もしかして鬼畜系?なんて思いまして。そしたらなんてことのない、ユル〜イお話でした。保育園児たちが近くの公園で遊んでる最中に1人の4歳児がいなくなる。探しまわる保育士の1人は過去にも同様の経験があり、そのことを悔いていた。その後、園児の祖父から「孫は父親と共にいるから心配はいらない」との連絡が入る。だが保育士はその態度や言動に疑問を感じ、二度と過ちを繰り返さないようにと単独で調べはじめる。園児の母親が出産後育児もせずにひきこもっていることが分かり、依然として園児とその父親の行方は知れない。やがて、明らかになるいくつかの事件。再生を求める母子、家族の物語。そんな感じ。とにかくもう全てが唐突。それぞれの登場人物の行動理由が全然分からない。何故そこまで入れ込むのか理解できない。ついでに人物造形もありきたり。意気込んで調理器具はいいものを揃えたけど、実際の材料は安物って感じの甘さ。前作の「エンドコールメッセージ」はとても良かったので、長編向きではないのかもしれないなぁなんて思ったけど、長編1作目なんで決めつけるには早すぎるよな。