『獣になれない私たち』第5話

朱里のウザさってかヤバさはそれとして、過去(育ち)がどうあれあの流れで朱里(のような人間)に向かって「そんなふうに泣けてうらやましい」とか言っちゃう晶ってものすごく嫌いだなと思ってしまって、だからあれだけいっぱい電話番号が登録されているというのにあの状況で掛ける相手を探した結果、今の自分の心境の一因である男の母親しかいなかってところに納得というか、もっと言っちゃうと「だろうね」とうなづいてしまったわ。(これはこういうことを考えてしまう(こういう見方をしてしまう)わたしって心底性格悪いですよねと前置きしたうえで)ひとりで旦那の介護をしてる恋人の母親の話を聞いて自分はまだマシだと思いたかったのに惚気聞かされるとかトドメ刺されてんのはさすがに哀れだと思ったけど、まぁ・・・だろうねとしか言えんわ。だって晶と友達になりたくないもん(だから職場で一番近しい同性の同僚は松任谷ってことになるんだろうけど、その松任谷との関係性がこういう感じなのだろうし、恒星と京谷が晶の話してるのを聞いた岡持の「晶さんのこといらないみたいじゃないか」ってのは結局のところ『そういうこと』なのだろう)。
で、これどうすんの?って話なのよね。晶の孤独をこれだけ描き、じゃあそれをどうするのかと。バカになれたら楽なのにってなことを言ってはいるけど、さんざんっぱら幸せなら手をたたこう(鼻歌ver)でパンパンして不安を煽っておいて、そのあとどうなるのかと思ったら目の前にいた恒星使ってキスしてるところを京谷に見せつけるって、フラッと電車に飛び込もうとしちゃったけど「恋がしたい」とか言ってた初回となんも変わってないんだけど。恋がしたいってのは能動的な気持ちだけど、他の男とのキスを見せる=京谷から別れを言わせる(言ってほしい)ってなことなら今回は受動的ということになろうわけで、であれば心情的には真逆と言えるでしょうが、恋がしたいの前には「京谷以外の男と」が付くのだろうから、やっぱり変わってないと思うの。劇中で晶に「堂々巡りです」と言わせてたけど、そういう話なわけ?。
とか思ってたら呉羽の結婚は偽装結婚だったとか聞こえてきて、いやそんなんいらんやろと・・・(呉羽の結婚相手が朱里がやりこんでたゲームのクリエイター?開発者?らしいけど、呉羽を介して朱里がそいつの会社で働くようになるとか、偽装結婚ではなく朱里とちゃんと結婚するとか、これが朱里大勝利の始まりだったらどうしようw)。佐久間が辞める気になってることを知ってしまった九十九社長がどうする!?ってことはすごく気になるけど(それが一番気になると言ってもいい)。

『風が強く吹いている』

キングが走ると決めるまでに2話使うことも驚いたけど、キングをその気にさせるのが神童だとは!。キングってそもそも単体だと扱い辛いキャラではあるから誰かと絡ませなければ話にならないとしてそれはハイジさんの役目だと思い込んでいたので、この展開はかなりびっくり。
ていうか、キングというキャラの本質は孤独感というか孤立感というか、表面上はノリ良くしてるものの実は他人と深く付き合うことができないってところにあると思っていたので(ゆえにみんな走るなら俺も走るでいいじゃないかと)、こういう改変をしてくるかーってことと、原作ではカケルとハイジさん以外は双子と王子が目立つぐらいであとは実際に走る時まで「チーム」としての扱いだったように記憶してるけど(だからその隙間というか余白というか、そこでいろんな関係性であり物語を想像(妄想)できるのだと)、アニメ版は今のところむしろ神童とムサの『真面目組』が話を盛り上げてるのがアプロ―チの仕方として興味深いし、なんだか新鮮。
ひとり遅れて宣伝Tシャツ(しかも箱根駅行w)を着てるキングにニヤニヤするアオタケメンバーがとにかく可愛いし、神童超いい子すぎて泣きそう。地元の人たちが声をかけてくれるのもほっこりだし、ニラはいつもながらすこぶる可愛い。王子はずっとニラに繋がれていてほしいw。

輪渡 颯介『別れの霊祠 溝猫長屋 祠之怪』

別れの霊祠 溝猫長屋 祠之怪

別れの霊祠 溝猫長屋 祠之怪

このシリーズもついに終わってしまった・・・。前作でお多恵ちゃんの事件にケリがつき、残すは「ちんこ切りの竜」の通り名バレぐらいしか要素としては残ってないもんで、皆塵堂シリーズとは違い今回は心の準備があったけど、やっぱりさみしい。
だっていきなり4人組がそれぞれ奉公先に行くってんでバラバラになるわ、(読者へなんの挨拶もなく)蓮十郎はいなくなってるわ、なにより野良太郎が行方知れずだってんでテンションだだ下がりですわ。おまけに猫たちも数匹が名付け親のところへもらわれていき、お紺ちゃんには縁談話がありと溝猫長屋がなんともうら寂しい感じになってしまっていて、いつまでもこんな時間は続かないとわかっていてもやっぱりやっぱりさみしくて・・・
ってのは結構早い段階でどこかへ行ってしまった(笑)。だってぜんぜんいつもと変わらないんだもん。変わったことと言えば4人が一緒に行動していないってだけで、物語のなかでは4人はしっかりつながってるだもん。心の話ではなく文字通り「つながってる」。そしてそこにはやっぱりお多恵ちゃんの意志が働いている・・・・のかもね?ってなことで、結局4人は長屋に戻り(戻され)、猫たちも戻ってきてしまい、それどころか仔猫が増え、さらにさらに野良太郎が帰ってきて!しかも嫁を連れてきた!!ってんで超大団円に大満足。
さらに頭おかしくなった(笑)蓮十郎の活躍もしっかりあったし、最後に残った「ちんこ切りの竜」バレもお紺ちゃんの前でそう呼ばれるという悲惨なバレ方(笑)だったし、ついでに「玉潰しの杢」という新キャラまで登場して笑ったわー。
輪渡さんの新しいシリーズが楽しみです!。