三崎 亜記『メビウス・ファクトリー』

メビウス・ファクトリー

メビウス・ファクトリー

巨大工場に町が隷属してる(包括されてる)ような環境で造られている「P1」という名の製品。これが一体なんなのか。
これまでの三崎作品は物語の中心を担う『設定』こそ突飛だけどその周りの日常はあくまでも現実の日常と変わらないというもの(が多かった)でしたが、これは完全に現実とは異なる環境が舞台で、でもその箱庭のような舞台の中心にある存在は現実を投影してるように受け取ってしまう(そう思いたくなる)もので、でもそれがなんなのかわからない。わかるようでわからない。これまでとはまた違う不条理感だし、これまでとはまた違う不安感を覚えました。
読了後いつもいつも思うことですが、ほんとうに三崎さんの頭の中はどうなっているのだろうか。