
- 作者: 両角長彦
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2016/06/16
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログを見る
こんな話で、まぁ読んだことのある要素をいろいろとつまみ食いしてるなーという印象ですが、その“つまみ食い”の元ネタとして思い浮かぶいくつかの作品は、やっぱり面白かったんだなーと。思わせぶりに挿入される“にんげんになりたいねこの童話”も最後まで読み終わっても意味・効果があったとは思えなかったし、これだけ面白そうな要素を集めてるのに一向に面白くならなくて、9割ぐらいまでは読み進めるのが苦痛でした。
でも最後の1割。“犯人”の目的が明らかになり、解明された事件の真相は面白かった。作中でも登場人物自身が“終わってみれば大したことない事件だった”っぽいことを言うけど、ほんと読み終わってみればしょーもない話で、でもそのしょーもなさが面白くはあった。
だから過程だと思うんだよな。捜査員が疑問に感じたこと、覚えた違和感、それらがほぼほぼ全部“伏線”で全部真相に繋がるものだったんだけど、誰一人魅力を感じるキャラクターがいないことを筆頭に、会話、捜査の描写、そういうものが全然面白くないからこれ伏線だろうなと思っても、その思ったこと自体がどうでもよくなってしまうんだよな。それも含めての「しょーもない話だった」という感想ではありますが、ラストシーンをより効果的なものにすべくせめてメインの刑事二人はもうちょい魅力があればよかったのにと思う。