- 作者: 長沢樹
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2016/02/24
- メディア: 単行本
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冒頭である場面が描かれ、それが院生たちに与えられた「課題」の背景にあるのだろうということは予想できるのですが、世界観はともかく人間関係がわかりづらい。誰が「院生」なのかもはっきりせず、どんな「課題」を与えられているのかもわからず、そんな中で登場人物たちが心理・肉体を駆使して駆引き・取引きするところが読みどころなのでその解り辛さは“あえて”のことなのでしょうが、主人公が居る場所の他にもうひとつ舞台となるところがあって、そこで進行している物語との繋がりは明らかなのに、どう繋がっているのかがなかなか見えてこないこともあって結構なイライラでした。
でも読むのをやめようとは一瞬も思わなかった。面白いのかどうかすら、実を言えばよくわからなかったのですが、それでもページをめくらせる“何か”があった。
ていうか、普通スパイだの工作員だのを養成する目的って諸外国に対抗するためだと思うんだけど、これは国内で各勢力が鍔迫り合いしてる話なんですよね。一応国外の存在は匂わせてはいるものの、印象としては内向きの話なんです。そこが不思議な感じ。