平山 夢明『或るろくでなしの死』

或るろくでなしの死

或るろくでなしの死

まず、もしこれが平山さんの作品でなかったとしても絶対手に取ってる!。そう断言できるぐらいこのタイトルとジャケット(表紙や装丁と言わずあえて「ジャケット」と言いたい。そんなセンス!)に一目惚れ!!。カッコイイ本ってそれだけでテンション上がります!。
もちろん中身も素晴らしいまでに非道で悲惨で卑劣で。『七人の人間たちが迎えた、決定的な<死>の瞬間』と帯に書かれているように、あらゆる形での『死』が描かれているのですが、希望とか光とか一切なく、絶望することすら許されない完膚なきまでの死がここに詰まってる。この決定的に徹底的でダークでヘビーなそれぞれの死に打ちのめされつつもゾクゾクしながらダラダラ液体を流す私がいて、クズでドMの私にとって平山さんの小説はまさにご褒美です。はぁー、至極。