- 作者: 大沢在昌
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2011/06/03
- メディア: 単行本
- 購入: 2人 クリック: 20回
- この商品を含むブログ (39件) を見る
それなりに楽しめたけど、やっぱり・・・はっきり言ってもう・・・・・・・時代遅れなのかなぁと思ってしまった。鮫島の魅力は衰えてないし、その恋人である晶や上司の桃井を初めシリーズを支えるレギュラーキャストとの関係性が作中時間の経過にともない変化する様は読んでて安心のクオリティではあるものの、今の私にとって鮫島のような一匹狼というかはみだし刑事も、新宿という街も、それから顔が見えない鮫島が追う今回のターゲットのような存在も、どれもかつてのような吸引力を持たない。むしろ得体の知れない在日二世たちの犯罪組織、その情報を抱え込もうとする内調と組対や公安との駆け引きに焦点を当てたほうが面白そうだもん。まぁだからと言って鮫島さんがスマホ駆使してたりしててもそれはそれで嫌なんだけど(笑)。
つまるところ、もう“そういう時代じゃない”ってことに尽きるのかなぁと思うわけで、多分大沢さんもそれを分かってるんじゃないかなぁとか思った。だから今回のキーマンに『時代に取り残された男』を用意し、そして桃井にああいう結末を、そして晶との関係をこういう形にしたのかなーと。その上でこの先どういう展開になるにしても、最後まで付き合います。