梓崎 優 『叫びと祈り』

叫びと祈り (ミステリ・フロンティア)

叫びと祈り (ミステリ・フロンティア)

発売当初一度手にとりパラパラと見た感じではあまり好みじゃないかなーと思いスルーしたものの、今年の各賞に軒並みランクインしてるってことで慌てて読みました。多言語を話せる若者が仕事で海外(メジャーどころではなく辺鄙なところ)に出かけた先々で体験した事件を集めた短編集で、最後まで読むと作品全体を通しての仕掛けが分かるといった構成で、全体的な雰囲気はホラーとかオカルトとかそっち方面っぽく、謎と謎解きは自体はシンプル。特に引っかかる箇所もなく文章もクセがないのでデビュー作(ですよね?)としてはソツなく纏まってるなという印象ですが、逆に面白味に欠けるというか・・・もうちょっと“何か”が欲しいかなとは思った。
タイトルは終盤2作のタイトルを合わせたものなのですが、この流れは意味も含めて美しい。