『Mother』第5話

駿輔が少年と絡むシーンを見て即この少年は心臓に重い病気を抱えてて、1千万はその手術費用なんだな!と考えたわたしのベタなドラマ脳ったら・・・・・・。
1千万という金額が意味するところは分かりましたが、理由としては自分が出来なかったことをやってのけた奈緒への嫉妬に加えどこまでの覚悟でこれだけのことをしたのかそれを確かめようとしたということなのかな。1千万持ってくればそれだけ覚悟してるってことだし、持ってこなくても追い詰めることで自分の嫉妬心は満足すると。そのために当の虐待受けてた子供を怖がらせるわ、ポストに事件の記事が載ってる新聞を入れたり無言電話繰り返したり(つぐみが思わず「ママ」と言ってしまった電話以外は駿輔の仕業だよね?)、駿輔も大概歪んでるなぁ・・・。全くの他人であった駿輔をそこまで歪ませてしまうほど、それだけ『虐待』という行為の代償は大きいということか。奈緒に語った奈緒がやってることは自分がやりたくてもできなかったこと(ざっくりとした意訳)だってのは駿輔の本心だと思いたいんで、奈緒を油断させておいて実は・・・的な展開になるってことはないと願ってるけど、でもこれで終わりってか駿輔が二人の力になってくれるわけではないんだろうなぁ。だって・・・仁美に奈緒の実家の電話番号を教えたのはおそらく駿輔・・・・・・だろうから。
駿輔の名刺と怜南の好きなものノートに書かれていた数字=奈緒の実家の番号ってのから推測するに、仁美は警察から遺品として戻された怜南の好きなものノートの中に書かれていた「わたりどり」という単語が気になり、駿輔に連絡を入れる。駿輔が電話で奈緒の自宅の番号を伝え、仁美が『怜南の好きなものノートをメモ代わりにして』書き取ったってことだと思うのですが、それがいつの時点でのことなのか?ってのが今後の分かれ道になりそうな感じ?。仁美が駿輔に連絡したのは「わたりどり」という言葉に心当たりがないか?と聞きつつ記者がどこまで虐待について調べているのか探る目的だったんじゃないかと想像しますが、どの段階で仁美が駿輔に連絡を入れたにせよ、その時駿輔は奈緒が怜南を誘拐してることを掴んでたよね。で、仁美に番号を教えたのが奈緒に自分の過去を話す前のことならば、奈緒への脅迫の一環というか、母親からの連絡を受けてさあどうする?と更に奈緒を試そうとし、同時に仁美をも試そうとしたってことかなぁとか思うんだけど、でも虐待されていた少年を救えなかった過去を抱えてるならば安易に母親に娘の生存を匂わせるどころか居場所にたどり着くかもしれないようなヒントを与えるかなとも思うんだよな。虐待母親を甚振るのはアリだとしても、この方法は果たしてどうなのかなぁと。となると、やっぱり奈緒を応援してるという言葉をそのまま受け取ることはできないんじゃないかと思うよね。で、奈緒に過去話をした後に番号を教えたのだとしたらそれはもう応援とは真逆の行為なわけで・・・。
なんとなくだけど、駿輔という人物は視聴者目線というか、全てを見ている“観察者”もしくは“目撃者”のポジションなのかなーと思うんだよね。あとまぁそれに加えてドラマを動かすために都合よく使ってる部分もありそうだけど。この先どういう方向に進むのかはまだ分かりませんが、予告で警察の介入があったことだし、いずれそういう話になるんじゃないかとは思うよね。で、虐待ってのは多分親告罪というか、例えば奈緒が怜南は虐待に遭っていたと言っても当事者たる怜南と母親がそんな事実はないと言えば司法レベルではどうにもならないことなんじゃないかと。となると残るのは奈緒が怜南を「誘拐した」という現実だけで、それは当然司法が絡む話なわけだよね。そうなった時に証言者となるのが駿輔なのかなーと。虐待してる仁美に対してはそのまんまの憎しみを、自分が出来なかったことをやってのけた奈緒に対しては歪んだ嫉妬を抱えてるわけだから、中立というか、どちらの側にも立たない、でも最終的には駿輔の過去が決め手となり奈緒の側に立つ、そういう存在なのかなーとか思った。
怜南の遺影を前にして手がブルブル震えてたまー君はちょっと限界っぽいよね。罪の意識に苛まれてというよりも虐待がバレるんじゃないかと怯えてるように見えたけど、いずれにしてももう仁美の元から逃げたくなってるだろう。そのことを仁美も感じてるだろうから、まー君を引き止めるために奈緒に金銭を要求するとかってこともありそうだよなぁ。娘の葬式当日にラーメン食べに行こうって言うところまではまだしも、娘が何よりも大切にしてた(って読めば分かるだろう)好きなものノートをメモ代わりにしちゃったのでこれはダメだと思ったもん。この人が改心するってことはないだろう。
あとはうっかりさんこと葉菜さんか・・・。やけに強調されてるように聞こえる「17年」という時間がやっぱり気になるなぁ。今35歳の奈緒が高校を卒業したのが「17年前」で、奈緒が高校を卒業し北海道に行った頃初めて突然葉菜さんが籐子さんというか奈緒を訪ねてきたと。そして葉菜さんが奈緒のためにと貯金をしだしたのも「17年前」。5歳の奈緒を捨ててから籐子さんを訪ねるまで13年間の空白期間があるわけで、高校卒業ってのはまぁ一つの区切りだと思うし、捨てた奈緒の行方を探すのにそれだけの時間がかかったってことは考えられるけど、だとしても奈緒のための貯金はもっと前からしてるだろうし、となるとやっぱり葉菜さんは13年間奈緒を訪ねることもお金をためることも出来ない環境にいた・・・と考えるのが自然だよなぁ。で、それはおそらく葉菜さんが奈緒を捨てた理由と繋がってるのだろう。その理由がなんであれ、今回おでん屋さんで籐子さんと奈緒の間にあった何かがなくなったことは確かだと思うので、それが奈緒にとっての救いになるといいなと思う。
ていうか籐子さんもすごい人だよねぇ。母親を探し求める奈緒に根気よく付き合ったこともそうだけど、芽衣のこともちゃんと見てるし分かってる。養子を貰う夫婦ってのは子供が出来ないからってことが多いのかなぁとか思うので、そういう意味では鈴原家が長子として養子縁組をしようと考えた理由にも“何か”あるのかもしれませんが、それでも籐子さんは間違いなく『いい母親』だって言えると思う。