- 作者: 牧野修
- 出版社/メーカー: 理論社
- 発売日: 2007/08
- メディア: 単行本
- クリック: 10回
- この商品を含むブログ (24件) を見る
水の流れに身を任せてなすがままに漂っていたら、いつのまにやらSFになってました!といった感じ。冷たくでつるんとした手触りの物語で、子供の頃コックリさんを夢中でやった時の背徳的でちょっとゾクっとするような空気を思い出しました。これはもっとゴージャスバージョンですが(笑)。あとがきで牧野さん自身がこんな小学生いねーよ!と書かれていますが、表に出てる部分は確かに小説的ではありますが、苦しいほどの無垢でありながらも邪悪・・・子供の皮を剥いだらそんなものが潜んでいる気がして、さほど作り物感はしませんでした。それぞれの描き分けもしっかりできてるし。
このシリーズから刊行されたものを読むのは初めてだと思うのですが、ターゲットは中高生・・・ぐらいなんですかね?大人よりも子供に向けての物語であるらしいのですが、冒頭のエピソードの意味というかそのもの悲しさはむしろ大人じゃないと分からないんじゃないかな。
いつものことですが、牧野さんの文章の美しさにはウットリです。今回は水がキーワードになってることもあって、“揺蕩う“という言葉がピッタリだと思いました。