山田 正紀『カオスコープ』

カオスコープ (創元クライム・クラブ)

カオスコープ (創元クライム・クラブ)

気がつくと朝の6時にゴミ捨てをしていたが、そこに至る記憶が全くない。記憶障害に悩む作家の鳴瀬君雄は、ゴミ捨て場から自宅にもどり、首をパックリ切られ血塗れになった死体を発見する。ポケットには血のついた果物ナイフ。脳裏をよぎによぎる女性の悲鳴と殺人の記憶。僕は殺人者なのだろうか。一方「万華鏡連続殺人事件」を追う刑事・鈴木は姿形の見えない“そこにいない”相棒と携帯で連絡を取りながら捜査を進めているが、一見なんてことのなさそうな傷害事件に興味を抱く。被害者の名は鳴瀬君雄。頭部に衝撃を受け重態となった被害者は一病院に収容されるが、その後病院を抜け出し行方不明に。鈴木は鳴瀬の自宅を訪ねるが・・・。断片化する記憶を抱え不安に慄く鳴瀬君雄と“そこにいない”相棒に依存する刑事鈴木の運命が交わった先にある衝撃の真実とは。


“机の上には女の生首”という帯を見て迷わずスプラッター!!!と飛びついてしまった私です。はぁー、難しかった。暑さでぼーっとしてる時に読むような本じゃないわこれ。衝撃の真実はもう想像の範囲外だから別として、物語の構図はなんとなくよめるんだけど、こんがらかっちゃって流れがうまく掴めない。今、時間の流れ的にどこにいるのか何度も???て混乱しました。それなのに、それでも面白かったというなんだか恐ろしい本。装丁が綺麗でちょっと嬉しい。