大石 圭『死人を恋う』

死人を恋う (光文社文庫)

死人を恋う (光文社文庫)

クリスマスイブ。人里離れた山奥でその日に自殺をしようとした僕は、自殺サイトで知り合ったと思しき男女6人が練炭自殺するところに出くわした。その中の1人、女子高生の死体を見た瞬間、僕の中にあった欲望が目を覚ました。

数多ある変態性癖の中で、どう考えても理解不能ネクロフィリア。どんだけ美しく切なく物悲しく書こうが、変態は変態でしかありません。
ロケーションといい主人公の雰囲気といい、角川ホラーで書いてるものとほとんど代わり映えしません。共感もできないし同情もできないし、かといって嫌悪感を催すとかそういうこともないんだよな。どう考えてもグロでしかない話なのに、この「何も残らなさ」はそれはそれで貴重だったりする。と思う。