柴田 よしき『シーセッド・ヒーセッド』

シーセッド・ヒーセッド

シーセッド・ヒーセッド

新宿で無認可保育園の園長兼私立探偵を生業にしている花咲慎一郎シリーズ。
ハナちゃんシリーズというよりも、山内練にまつわる物語の一片と言ったほうがいいかもしれないってぐらい、山内の出番が激増してます。送り手も受け手もともにそれを望んでいるので、出番が多くなるのは当然と言えば当然です。かくいう私も山内ラブ。というわけで完全に固定客向け。
今作は、ストーカーの脅迫に悩むカリスマ女性アーティストの依頼、自宅前に捨てられた子供の母親を捜せという山内からの依頼、ノーベル賞目前の天才化学者の目的が見えない依頼の3篇収録。山内とハナちゃんの絡みを大幅増したしわ寄せなのか、奈美先生も麦子も南ちゃんも全くと言っていいほど登場しないし、アクションも少なめだし、シリーズものとしてはちょっと物足りない。とは言っても、別のシリーズとは違う山内の一面がこのシリーズでは描かれているわけで、そしてそれさえ読めれば後はどうでも・・・な感は無きにしも非ずだったりもするので、これはこれでいいと思いますよ。だって端から固定客しか相手にしてないわけだし。山内絡みだけでなく、3篇通じて次に繋がる要素が含まれているので、次作とセット的な位置づけになるのだろう。この人って商売上手いよな。