恒川 光太郎『ヘブンメイカー スタープレイヤー2』

ああ、前作のスタープレイヤーで主人公だった女性がシリーズ通しての主人公なのではなく、毎回異なる主人公が『スタープレイヤー』というシステムを使って何を願うか、という構成のシリーズなのか。
私が前作を思いのほか楽しんだのは“アラフォー無職女性”という主人公の属性によるところが大きかったので、そこはちょっとガッカリだなぁ・・・と思いながら読み始めたのですが、W主人公の関係性が見えてきて別々の話だったものが交差した瞬間から一気に気持ち悪くなって、前作とは真逆の印象に・・・。亀人間とかなんでそんな悪趣味なことを思いつくの・・・。好きです。
しかしこれ、『スタープレイヤー』として神の力にも等しいものを手に入れた人間たちが何を願いどんな人生を送るのか、単純に性差によっても違うだろうし(前作の女性主人公はとても現実的だったし、今回もスポーツ選手やら芸能人を呼びまくって疑似恋愛を楽しんでるという女性のスタープレイヤーの話がチラっとあるし、比べて今作の男は・・・と思うとやっぱり女のほうが精神的に強いな、という気が)スタープレイヤーを手にする(与えられる)理由、その時の状況によっても違うだろうし、いくらでも描けそうだよなぁ。ぜひとも書き続けて欲しい。