永瀬 隼介『刑事の骨』

刑事の骨

刑事の骨

この人って起承転結の「起」はすごくいいと思うのだけど、それ以降は転がり落ちるように失速するんだよなぁ。女と絡みだした途端に主人公は色気づくわ展開はチープになるわでガッカリ。この女は「ファム・ファタール」なわけで、だからこの主人公(の設定)ですら一撃でその妖しい魅力に参ってしまう・・・と補完できなくはないけれど、肝心の女の魅力がさして伝わってこないもんだから単なる安っぽい話に堕ちてしまう。かと思ったら物語の結末はまるでハードボイルドのようで、てんでちぐはぐ。