東 直己『眩暈』

眩暈

眩暈

シリーズモノの醍醐味というか追いかける理由として1冊の本としての筋のほかにシリーズとしての大きな物語があるということなわけで、通常であれば1冊の中にシリーズとしての進展であり展開を求めたいものなのですが、畝原シリーズに関しては畝原家が何事もなく平和で穏やかに暮らしてくれていると心底ホッとする私がいます。でも畝原、さすがに老けた・・・・・・な。未成年は当然として20代半ばぐらいの若者を見る目線もそうだし、食が細くなった?のもそうだし。ていうか言ってしまえば東さんも年取ったってことなんだろうなぁ・・・。
畝原は前からそうだったと思うんだけど、貴や真由の話し方も「○○○、と言うことですね」とか「それは○○○、でいいのね」とか確認事項の前で一旦止めるクセのある話し方になってるのが気になりました。まぁ畝原の口調がうつったと考えられなくもないけど。あと畝原と貴のメールのやり取りが
『R。詳細は家で。今後もY』
『R。これから、向。何時頃帰?』
とかでして、Rってのは了解でYはよろしくの意味で使われてるんだけど、別に人に見られてもいいよう暗号っぽくしてるとかではなく略語って感じで使ってるのね。普通携帯って予測変換あるから「アール」って打って「R」に変えるとか入力文字をアルファベットにしてから「R」と打つよりも「りょう」って打って「了解」を選択したほうが早いと思うのよね。了解なんて何度も使うだろうし。よろしくも同じく。まぁそこいらへんが畝原と貴らしいっちゃらしいのかもしれないけど(笑)。


ケラーで畝原と「俺」がニアピンというか、畝原が「俺」の存在を意識した瞬間が一番テンション上がりました。