有栖川 有栖『火村英生に捧げる犯罪』

火村英生に捧げる犯罪

火村英生に捧げる犯罪

『鸚鵡返し』が何もそんな手の込んだトリック実行せんでも(笑)と思わず失笑してしまったほどの強引さに加えて火村先生の1人語りなのでとても良かったです。まぁアリスに語ってんだけど。電車を待つ間の気楽な小話というシチュエーションだからテンポも良かったし、捜査の過程で仕入れた豆知識をついつい披露しちゃって「脱線した、すまん」とかちょっと浮かれてるっぽい火村先生の口調に全力でときめいたしね!。・・・まぁアリスに語ってんだけど!!。とにかくアリスの突っ込みが入らないのが素晴らしかったです。

以下、ネタバレしてます。





タイトル作では「極めつき」と「極めつけ」の誤用がキーになってるんだけど、正しくは「極めつき」だと知って驚きつつも恥ずかしい思いをしました。私は「極めつけが」とか「極めつけに」とかよく使っているので・・・。しかもちょろっと調べてみたところ、「極めつき」という言葉は書画などにつける鑑定書(極め札)をつけるという行為から生まれた言葉で、鑑定書(極め札)が付いている=極めつきという意味なんだそうです。お墨つきとか折り紙つきと同じような感じなのかな。で、「極めつけ」ってのは鑑定書を付ける行為のことを言うんだそう。今風に使うとすると「名護さんは極めつきのイケメン」とかって使い方でいいのかな。例文は気にしないでください。私はこれまでダメ押し的な意味で「極めつけ」を使ってました。誤用どころか意味までも思いっきり間違えてたわけです。あぁ・・・恥ずかしい。