インディゴの夜 チョコレートビースト (ミステリ・フロンティア)
- 作者: 加藤実秋
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2006/04/11
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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ついに「ストリートで起こるさまざまな事件」になっちゃいました。そうか、ストリートか・・・。
今作は、事件に関わるキーワード(パンクだったりタトゥーだったり)に強いホストがメインになって活躍するという話が2篇あって、どっちもまぁ強引というほどでもないんだけど、丁度良くその方面に強い従業員がいるってなんか都合よすぎるなぁ・・・という気がしてしまった。それがアリならなんでもできちゃうじゃんね。今日も大入り満員と言ってるわりには、このホストクラブの人達何かあるとしょっちゅう店抜けて晶のこと助けに行ったり、警察で事情聞かれたりしてるんですけど、その間店はどうなってるんだろうとかつまんないことが気になったり。
個性的な登場人物達がそれぞれの良さを生かしつつみんなでストリート(このシリーズは宣伝ほどストリート臭はしませんが)で起こる事件をクールに、ときには熱く解決するとなればどうしたって比べてしまうわけですが、このシリーズも決して面白くないわけではないんだけど、IWGPの壁は高いなぁと改めて思う。登場人物の魅力もそうだし、ストーリー(起こる事件)もそう。IWGPはマコトやキングだけでなく、サルからツインタワー1号2号や千秋まで脇役もキッチリ立ってたし、それぞれの話に関わるゲスト的な存在も生き生きしてた。それに比べるとこのシリーズは、ホスト達の魅力が最大のポイントになると思うんだけど、アフロであったり2メートルの巨漢であったり外見の奇抜さだけしか描いてなくて、内面の魅力がまだ伝わってこない。せっかくのホストという設定もストーリー自体に生かされてないように思う。情報を得る為に客のネットワークを使うという描写がチラっとあったけど、今後常連客の中にもレギュラーとして登場する人物がいてもいいかなーと思った。晶が紅一点というところに意味があるのかもしれないけど、ありがちなタイプすぎて魅力ないんだよな。
そんなことを思いつつも憂夜さんのことが気になってしまうわけで、とりあえず憂夜さんの過去とかプライベートとかそういうの読むまで止められないなーとは思うんだけど。