高野 和明『幽霊人命救助隊』

幽霊人命救助隊

幽霊人命救助隊

明治生まれのヤクザの親分(享年68)小さな会社の経営者(享年43)家事手伝い(享年24)東大2浪(享年21)と年齢も職業もばらばらの4人が、天国に行くためのミッションを神様から言い渡される。「7週間以内に100人の自殺志願者の命を救え」。怒涛の人命救助エンタテイメント!です。この作者の作品を読むのはこれが3作目なのですが、一番おもしろかった。キャラクター設定ばっちりです。無鉄砲担当に冷静な判断担当にクール担当にパシリ担当とまぁ分かりやすい配置で、しかもそれぞれ歳も違えば生きていた年代も違う、生活環境も違うというわけで、会話のギャップも面白い。救うは現代の自殺志願者なので、リストラや借金苦などなど重苦しいネタ満載ですが、テンポよくコメディ調なのでサックリ読みすすめられます。4人が死んでしまった理由や、救われていく様の描き方も上手いと思いました。ただ、エピローグいらない。こういうのほんといらない。その前まではちょっと泣きそうになるぐらいだったのに、急に冷めた。