安東 能明『強奪 箱根駅伝』

強奪 箱根駅伝

強奪 箱根駅伝

箱根駅伝だいすきな私。といっても純粋に応援しているっていうのでもなく、裏に潜んでいるであろう人間ドラマを想像するのがすき。例えば、襷繋げなかったりしたら「あーこの選手は友達いなくなるんだろうなぁ」とか。かなりブラックな性格なもんで。作品ごとに丁寧に取材をしながら書いている(と思われる)著者ですが、今回は駅伝というよりも箱根を中継する日テレをフューチャリングといった感じ。2日間の駅伝中継に850人もの人が携わっているらしいです。びっくり。300人ぐらいかと思ってた。神奈川大学駅伝部の女子マネが誘拐されて、犯人は電波(中継)オタクで人質の映像を日テレ側にオンライン送信するわ、ハッキングするわ、電波ジャックするわとやりたい放題で、人質と仲間には内緒で付き合っている選手が助けに行くという、ある意味王道な設定ですが、テレビ中継マメ知識のおかげでノリノリで一気読みできました。伏線ほっぽり投げな部分がいくつかあるように思いますが、まともなアップもなしで、走れんのかよ!と思う部分もありますが、エンターテイメントですから。おもしろかった。