
- 作者: 早見和真
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2011/03/01
- メディア: 単行本
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薄々家の内情に気付いていながらそこまでではないと思った(思いたかった)か、それとも逃げてたか、そういう気持ちもリアルだと思うのだけど、突然もたらされた「母親の病気」という“事件”に家族それぞれがそれぞれの立場で立ち向かう・・・それもまたこの手の話にしてはリアルだなと感じました。息子二人は成人してるわけで、父親と男三人家族と言えどもそれぞれの生活環境や事情は異なるわけで、例え母親が病気になったからといって一致団結して立ち向かうなんてことは難しいと思うのね。それまでも別に仲良し家族だったわけじゃないし。だからお互いがそうとは言わずにそれぞれの想いで出来ることを探すわけだけど、それをそれぞれの視点として章分けし個人の掘り下げがしっかりなされてて、最終的にそれが結果に結びつく様にはカタルシスを覚えました。後日譚にあたる最終章は出来すぎててちょっと腹立たしかったけど(笑)。
初めて手にとった作家さんですが、面白かった。他の作品も読んでみようと思う。