『イタズラなKiss 〜恋の味方の学園伝説〜』@シアターサンモール

やっぱり入江くんはいませんでした。影も形もなかったよ。あれは「直ちゃん」という名の別キャラです。ふぅーっ。
琴子と入江くんのキャラ設定と、琴子の家が地震で崩れてしまったので父親共々入江くんちに居候してるという設定だけが設定として“辛うじて”残ってるだけでそれ以外は完全オリジナルストーリーでした。原作を読んだのはそれこそ二十年前!?ってぐらい遠い昔だし、わたしの中で入江くんと言えば柏原崇でしかあり得ないというぐらいのレベルなもんで琴子と入江くんと金ちゃんと理美とじん子以外でこの舞台上に存在してた人の誰が原作の中でも登場してるキャラなのか全然わからなかったんだけど、多分話を展開(これを展開と言うならばですが)させてたのはオリキャラたちだと思う。入江くんの母親と弟も出てくるけどストーリーには不要と言い切っていいほど絡まなかったし、入江家で一緒に住んでるってのも原作がそうだからというだけでこの物語の中では瑣末なことでしかなくて、主役の二人も琴子はギャーギャーうるさいだけだし入江くんに至っては“スーパークールで頭がよくて運動もできる超絶イケメン”ってのが何一つ伝わってきませんでした。ただの王子(プリンスではなく渾名ね!)でした。ふぅーっ。
学園祭で10人以上でダンスチームを作り全員が一度も間違えることなく踊りきることができたら恋が成就するという学園に伝わる伝説を聞いた琴子たちは、それぞれの恋を叶えるためにダンスチームを結成。練習場所を確保するため学園祭の実行委員をやることに。学園祭を5日後に控えた放課後、寝る間を惜しんでダンスの練習をしながら学園祭の準備もしていた琴子が校内で倒れてしまい救急車騒動に。そのことを問題視した理事長以下PTAたちは学園祭の中止を決める。その決定を受け入れることができず理事長に直談判しようとする琴子たちに、入江くんとその友達で理事長の息子である西園寺(通称プッチン)が俺たち二人に任せてくれないかと言う。入江くんは理事長たちにこれまで琴子たちがどれだけ頑張ってきたか、そしてそんな琴子たちを見てエリートである自分たちがどれほど心を動かされたかと訴える。二人の訴えが届き無事学園祭をやれることに。そして迎えた学園祭当日。実行委員会のメンバーたちはみんなで楽しく踊りました。めでたしめでたし。あらすじはこんな感じ。それだけの話を休憩なしで2時間10分程度かけて見せられてきました。ふぅーっ。

登場人物である実行委員の子たち(女子が10人以上いて男子が5人てバランス悪くねーか?)は卒業生で今は売れっ子DJとして活躍してるダイゴ先輩も含めて全員分かりやすいキャラ付けをされているのですが、OPがいきなりMC・DAIGOこと加藤良輔くんのラップに乗せたメンバー紹介でね、この時点でなんていうか・・・・・・居た堪れなすぎて若干胃が痛かったです・・・・・・。総勢何人?20人ぐらいいたと思うんだけど、良ちゃんは体感時間にして15分ぐらいかけて恥ずかしいラップ歌わされてたわ・・・・・・。
そんで“金ちゃん→琴子→入江くん”を軸にして各キャスト間を「→」が繋いでるんだけどね、これが全くもってどうでもいいわけですよ。誰が誰を好きでもどうでもいいっつーのって感じなの。おまけに教師の間にも「→」があってね、それとか心底どうでもいい。その関係が「⇔」になろうがなんだろうがそれで??としか思えないわけですよ。ストーリーの山とか谷とかそういう転調が一切ないの。ていうか一応転調はあるんだけど、肝心のそこを原作の絵をスクリーンに映すスタイルだったのね。例えば、琴子が倒れて病院に運ばれるシーンなんかは、“琴子が教室で倒れる→机と椅子と蹴散らして琴子に駆け寄る入江くん” ←ここまでが実際に舞台上で演じられてることで、この後の“琴子をお姫様抱っこして病院に運ぶ入江くん→琴子ベッドで点滴される” ←これは原作絵で見せられるの。一番わかりやすそうなシーンを説明してみたんだけど、ほかに絵で説明したのは“琴子が入江家に住むことになった理由と入江くんに紹介される場面”“金ちゃんが琴子が入江宅に「ただいま」と帰るところを目撃する場面”“入江くんが幼少時女装をさせられてた写真を琴子が入江母から入手する場面”“二人が同棲していると学校中で話題になる場面”“琴子が入江くんにラブレターを渡すが「いらない。俺馬鹿な女は嫌いだから」とこっぴどくフラれる場面”などなど。つまり原作にあるエピは全部「絵」として見せ、実際に演じる場面はオリジナルってことなのよね。その時点でもはや別モンだろ・・・と思うのに、酷いなと思った最大の理由が絵と舞台上の展開が微妙にズレてたってことなのよ。オリジナルストーリーに無理やり原作絵をくっつけたってことなのです。別に原作オタじゃないわたしですらちょっとこれは酷すぎると思ったぐらいだから、何人かはいたであろうキャストに興味はない原作オタの人が心底気の毒・・・・・・・・・。これでその“オリジナルストーリー”が面白いならまだ救いはあるけど前述の通りただただ平坦な話だからもうねぇ・・・・・・溜息しか出なかった。それなのに前の席に座ってたお姉さん(間違いなくお姉さんだったと思う)はキャハハハハ笑いまくってて驚いたわ・・・。


なぜわたしがこの舞台を見に行ったかと言うと、王子の入江くんを怖いもの見たさ(ゲテモノ好きとも言うw)で見たかったってのと、いつものことですが男子キャストがそこそこ興味ある子ばっかりだったからなのです。1人だったら多分ちょっと考えただろうけどゲテモノ好き仲間のキ●コちゃんも行きたい!って言ってたしw。具体的には入江くんの友達役の小野賢章くんとダイゴ先輩役の良ちゃん、そしてジャージさん(ってなんだよw)役の谷くん。そしてそして表の見ものが王子ならば裏の見ものはあいつの弟ですよ。プッチン役の颯 太 ね。なんとなく怖いんで検索よけしてみましたけども。ワッシーの金ちゃんは制服姿はどうかとおもったけどw想像通りだったんでいいとして、ほかはみんなオリキャラだったと思うのですが、どいつもこいつも浅くてねぇ・・・・・・・・・。
亘役の賢章くんはこの物語のキーマンといっていいほどのポジションだったのですが、演技自体は悪くなかったしダンスシーンもやっぱりすごくカッコよかったし可愛かったし、賢章くんのよさは出てたと思う。思うんだけどねぇ・・・・・。伝説のことを聞いてダンスチーム作ろう!って言いだしっぺは琴子ではなく亘なのね。水晶占いが得意な子(そういうキャラ付けがされてるの・・・)によると亘はどうやらとても難しい相手を好きらしい。そんな相手を振り向かせるために必死でダンスを練習する亘はある時運動神経がニブイ上に頭が悪いから振り付けを覚えられない琴子をキツイ言葉でなじる。なぜ琴子にキツイ態度を取るのかと言うと・・・・・・亘の好きな人が「直ちゃん」こと入江くんだったからなのですー。・・・・・・・・・いらねえええええええええ!イタキスの世界にホモいらねええええええええええええええ!!!。しかもね、その気持ちを入江くんは知ってるんですって。知ってるんだけどどうすることもできないから知らないふりして友達として付き合ってくれてるんですって。そしてそのことをもう一人の友人である西園寺プッチンも知ってるんですって。プッチンはそんな入江くんを尊敬してるんですって。なにこの爛れた友情。そもそもさー、この三人がなぜ仲良しなのかってとこからして謎なのよ。入江くんと西園寺はまぁわかるの。勉強もスポーツもいつも入江くんが1番で西園寺は2番なんだけど、レベルとしてはまぁ同じ世界の人間なわけだから。一応二人のエピとして中学の時一度だけ100m走でプッチンが入江くんに勝ったことがあったんだけど、その時入江くんは足を痛めていて万全の体調ではなかったと。それでもプッチンは「入江に勝ったぞおおおお!」ってすっごい喜んだんだって。そんなプッチンを見て入江くんは「こいつとはずっと一緒にいられるな」と思ったと。そういう背景がほんとに一応なんだけど、あるのね。だからここはまぁわかるの。でも肝心の亘と入江くんの繋がりが全く説明されないのね。F組ってことは亘も琴子同様馬鹿なわけで、なんでそんな子と入江くんが「親友」として付き合ってるのか?ってのが疑問。頑張って二人は幼馴染とかなのかな?と想像をしてやったとしても、周りに同世代の若い女がわんさかいる環境にある健康な男子が同性の親友に伝説に縋るほど恋焦がれてるってのはさぁ・・・。それでも相手が入江くんとなれば分からなくはないんだけどね、入江くんがそのことを分かっていながら亘を受け入れてるってのは決定的に違う気がするんだよね。まぁ一言で言っちゃうとホモの設定舐めんなって話よ。ホモを安易に扱うなってこと。
賢章くんは学園祭のダンスシーンで女子が踊ってる間良ちゃんとともに端っこでフリーダンス踊ってるのがものすごくカッコ可愛かったです。あと制服の着こなしもさすがの可愛さだったわ。賢章くんのダンスやっぱり大好き。


良ちゃんはある意味とても大変な役を頑張って演じてたと思います。良ちゃんには全力でお疲れと言ってあげたいw。琴子たち生徒に一番近い「大人」というポジションなんだと思ったのですが、普通に言えばいいセリフをいちいちラップ調で言わされててね・・・全てにおいてやらされてる感丸出しの良ちゃんにはちょっとモエたw。そうそう!モエたと言えばね、OPのラップ(思い出すだけで恥ずかしくなるわw)でステージから客席に確か2回降りてたんだけど、階段とかないから6.70センチぐらいの段差を歌いながら脚力だけでヒョイっと昇り降りしてんのはまじモエだったわ!。あとなんたってMC☆DAIGOだからそれっぽい格好してるんだけど、腰履きGパンが思いのほか似合ってた。


谷くんはとんでもないイケメンの無駄遣い状態でした。赤の上下ジャージ姿で用務員みたいなことをしてる謎の兄さんなのですが、実はかつて伝説を達成した唯一のダンスマスターなのです!伝説通りに恋を実らせたものの自らの不注意で哀しい結末を迎えてしまったジャージさんは、頑張りすぎて壊れてしまわないよう後輩たちをかげながら見守っているのです!!・・・という役なのですが、はっきり言って不要。倒れた琴子のために救急車を呼び騒ぎを大きくしてしまった張本人という役割があることはあるのですが、そんなもん水谷あつしさん演じる教師にさせればいいだけだし、ジャージさんが伝説のダンサーだっていうんならラストのダンスシーンで前髪を上げるとかしてカリスマオーラを見せ付けるとかさ、もうちょいどうにか出来ただろうと思うわ。ていうかね、これ言ったらおしまいかもしれませんが、王子より谷くんのが入江くんっぽいと思ったわwww。入江くんのイケメンオーラを出すために王子一番のセールスポイントである高身長(スタイルの良さ)をより一層引き立てようと友達二人をチビッコにしたんだろうなーと想像したのですが、ダサジャージ+ボサ髪で突っ立ってるだけの谷くんのほうがはるかにイケメンかつCoooooooL!!!なオーラ出てたもんw。


颯 太 は素材的に思ったほどじゃなかった。はっきり言って大したことなかったです。まず背が低いことに驚いたわ。170センチない賢章くんと変わらないぐらいだった。そんで肌がすごい荒れてたわ・・・。わたし内統計によると男兄弟は弟の方がイケメンってのが定石だし、一時は兄よりもイケメンって話もあったぐらいなんで生オーラどんなもんよ?と、ある意味一番のお目当てだったもんで、拍子抜け。顔面レベルだけでなく華もオーラも兄貴には到底及ばないわ。兄貴がアレじゃなけりゃ多分全然違う見方ができると思うんだけど、こればっかりは仕方ない。声はちょっと似てるかなぁ・・・セリフの言い方とか似てるなと思う場面がちょこちょこあった。あと学園祭のダンスでなぜだかプッチンはソフト帽を被って登場し、兄を意識してか(多分そういう演出だったんだろう。あざといわー)帽子を片手で軽く押さえて踊った後、ダンスのラストで自分をすきっぽい琴子の友達にポンっと被せてあげるというキザな振る舞いをしてやがったわ。つーかストーリーなんてあってないようなもんだしどうでもいいことなんだけどね、水晶少女と一つ年下の眼鏡っこ生徒会副会長がプッチンのことを好きなのよ。それなのに琴子の友達(理美)がいつの間にかプッチンのことを好きになってて帽子被せてあげたってことはプッチンも満更じゃないってことでしょう?てことはダンス頑張って踊った水晶少女と眼鏡っこ副会長の想いは報われないってことじゃん!。しかも理美って学園祭準備活動中にプッチンを好きになったわけでさ、いってみりゃ後だしジャンケンなのよ。最初からプッチンのハートを射止めようと頑張ってた二人可哀想すぎるじゃないか!・・・ってどうでもいいことなんだけどちょっと憤慨してみました。
あ、そうだ、激しく気になったのが一箇所。プッチンの足元がゴールドのスニーカーで入江くんの足元がシルバーのスニーカーでした・・・・・・。そこは黒のローファーじゃないのかと・・・・・・百歩譲って入江くんはともかくプッチンの足元は絶対おかしいだろうw。
そして余談ですが、ロビーがこの手の舞台では見たことがないほど華やかでして、なぜかと思ったらマイファミたちが全員颯 太にお花を送ってらっしゃいました^^。


というわけで王子です。直ちゃんです。どういう意図があったのかちょっとよくわからないのですが、入江くん登場シーンが遅っそいの!!始まって30分は経ってたと思う。いくら琴子と入江くんの設定とイタキスというタイトルを使っただけの別物だとしても、そこはやはり入江くんなわけじゃないですか。いくら演じるのが王子だと分かっていても、そこはやはり入江くんなわけですよ。もしかして・・・万が一にも・・・・・・億が一にも・・・・・・入江くんっぽさがあるかもしれないと心の奥底で期待してしまうわたしがいたわけですよ!!。その気持ちを焦らされ焦らされ入江くんまだあああああああ!ってなったところで廊下を歩く王子を見た瞬間思わず失笑してしまいました。一緒に見たお友達なんて完全に肩ブルッブル震わせてたもんw。30分以上またされて1秒で「ないわ(笑)」と分かってしまうだなんてねー。しかも一言も喋ってないのにw。焦らせるとこまで焦らすのが作戦だったのかもしれませんが完全に逆効果です。最初から王子だしてくれてりゃガッカリ感が1割ぐらいは減ったかもしれないのに。前述の合間合間にはさみこまれる原作絵も逆効果の極みでした。入江くんの絵を見るたびにこの舞台に入江くんがいないことを思い知らされるんですもの・・・・・・。ていうか弟の裕樹がこ憎たらしいんだけど可愛くてね(笑)、どうせオリジナルストーリーやるならこの子を主演にしてへんな薬飲まされて小っちゃくなった入江くんを琴子が救う話にでもすりゃよかったのにとすら思いましたw。キャスティング発表された瞬間こんな馬鹿そうな入江くんとかねーーーーーーーよ!!!と思ったんだけど、入江くんの見せ場である理事長への直談判シーンが酷すぎて酷すぎて酷すぎて(以下エンドレスで・・・)。入江くんのクールさと頭脳明晰さを表すのって口調が締める役割が大きいと思うのね。ちょっと冷たい声音でキレよく言い切るって感じ。でも王子じゃん・・・・・・・・・もっしゃもっしゃベッタベッタ喋ってて、頭のよさはもちろんクールさのカケラもなかったわw。もう必死でセリフ喋ってる感アリアリだったもん。まぁそもそも入江くんはあんな風に熱く語るキャラじゃないしねw。学園祭のダンスに参加したのはもう・・・いいや(笑)。
そうそう、思い出した!この直談判の場面でプッチンが入江くんに頼まれて撮ってた“学園祭の準備を頑張る琴子の写真”が理事長たちにスライドとして見せるって形で使われるんだけどね、その写真がことごとくピンボケだったのはなぜなんだろうw。


女の子はみんな楽しそうでした。みんな足細くて(琴子以外w)可愛いなぁ。



なんだかんだいいつつまたもやいっぱい書いてしまいましたが、実はわたしの心は半分以上舞台ではなく近くで見ていた滝口くんの後姿に釘付けでした☆