恩田 陸『まひるの月を追いかけて』

まひるの月を追いかけて

まひるの月を追いかけて

普通なら読まないタイプの作品。恩田陸だから読む。登場する3人(4人かな)の年齢設定が私にとっては微妙なせいか、馴染みにくい。半分は奈良の観光案内。さては作者が行きたかったから、こういう設定にして経費で落としたな・・・と想像してしまいました。相変わらず温度の低い文章で、落ち着いて読めます。ただ、結局のところどんな話なのかよく分らない。分かる必要はないというか、結末はない・・・と思っていいのでしょうか。全員が自分のことしか考えてないあたり、結構凄い話だなぁとは思いました。合間に挟まれる昔話(のような言い伝え)が面白かったりして。文中にあった「この歳になると恋人よりも新しく親しい友人を作る方が難しい」だったかな?それって確かに、と実感。恩田陸作品にはいつもなるほどなぁ〜と思う文章や言葉があるのです。