貫井 徳郎『龍の墓』

ゴーグルと呼ばれるVRツールが日常化した近未来という舞台設定で、町田でドラム缶に入れられ焼かれた死体が発見されるところから物語が始まります。その後別の場所で不可思議な装飾を施された死体が発見され二つの事件は世界的に人気のVRゲームの見立てなのではないか?とSNSで騒がれだす。
と展開するんですが、最初の事件の捜査を行う刑事と、とある理由で警察を辞め引きこもり状態の元同期が視点となり、リアルとバーチャルで行われる連続殺人事件の捜査が描かれます。

VRが日常化しているという特殊設定ではありますが、VRゲームが小説であっても映画であっても成立する話(だと思う)なので「特殊設定感」はほとんどないかな。
作中の時系列としては現実の事件が先行する形で、それが作中のみならず読んでいる私に対しても「盲点」となる仕掛けはさすがの貫井さんで、そのためにはやっぱりゲームである必要はあるのかな。

ゲームのなかで捜査を行う人物は「とある理由」で警察を辞めたと書きましたが、この「とある理由」がかなり胸糞な事情なんだけど、それが現実の事件の動機と物語として繋がると予想していたもののその事情は現状の理由ってだけで報いも救いもなく、結局そのまんま現実逃避を続けますというオチで「え?これで終わり・・・?」と戸惑いました。
貫井さんなんでどんでん返しを期待しちゃったしな。
あ、でもどんでん返しじゃないんだけど、現実の捜査を行う刑事の相棒が実は「〇〇〇〇」だったのはびっくりした。なんだこのキャラw。