『大奥』「八代将軍吉宗・水野祐之進編(10)」

これ「八代将軍吉宗・加納久通あと杉下編」とするべきではないか。
と思わずにはいられないほど、信様を将軍にするために自分がなにをしたかを語る久通(とそれを静かに聞く吉宗)がすばらしかった。
将軍にさせられた家光と、将軍として生きる綱吉の苦しみを見てきただけに、そうまでして信様を将軍にする道筋をつけてきた久通の覚悟と執念と狂気をどう受け止めればいいのかと混乱しつつ、ここで「一炊の夢を見させていただきました」と言える久通の凄みに震えた。
春日局や吉保もそうだけど、将軍を支える女たちの人生もまた凄まじいからこの作品がこんなにも愛されているんだろうな。

後継者問題に際し久通は「口を挟む立場にございません」と言ったのに対し杉下は宗武の心中について話をしてて、聡い(とわたしは思ってる)はずの杉下なのにどんな立場でそんなこと言ってんだ?と違和感があったんだけど、なるほど三人の娘の「父親代わり」であったか。
父親など誰でもいいと、子供を産み落とそうとしてるときでも政のことしか考えてなかった吉宗だけど、「良人」(杉下の場合は「夫」ではなくこの字をあてたい)を看病する最後の時間は幸せであったことだろう。

ほら、やっぱり「八代将軍吉宗・加納久通あと杉下編」だよ。

そうそう、杉下最後の時間といえば藤波(を演じる片岡愛之助)が片岡仁左衛門推しになってんのは笑ったw。


シーズン1のまとめとして各将軍と男たちの名場面集が流れたけど、家光どころか綱吉編ですらけっこう前のことのように感じたのは、それだけ各編の密度と濃度が濃かったからだよね。
前回の「世の役に立ちたい」宣言からどんな将軍になるのかと思ったら結局また卑屈になってしまってて、でも吉宗ですら思いもよらなかった視点を持っていることは間違いがない家重が大御所様という存在がなくなった後にどうするのか、どうなるのかも見たい(というかもっと三浦透子の家重が見たい)からここで終わってしまうのは残念ではあるけど、でも「すごいものを見た!」という充実感で満たされています。
でも早くこいこいシーズン2!!。
って、玉置玲央くん演じる「黒木」なる人物はシーズン2に登場するキャラってことなんだよね?。鈴木杏ちゃんと村雨さんと同枠での出演ってことでいいんだよね?。ってことは結構重要な役なのかな?なのかななのかな?たーのーしーみー!!!