『エルピス―希望、あるいは災い―』第8話

もはや岸本主人公じゃん!岸本のドラマになっちゃってんじゃん!

と思ってたら、たった独りで真実に向かって突っ走ることができるのは、孤独であることに恐怖を覚えなかったのは絶対に「信じる」ものがあたからで、それは浅川恵那が言った「本当に正しいことならば必ず道は開けていくし、味方も増えていく」という言葉であり、真実を追うことに対してシンプルに明快な浅川恵那という存在そのものであるとかさー、ちゃんと真ん中には浅川恵那を置く作劇の巧さがハンパねーな。

だって視聴者感情としてはもはや岸本の応援団じゃん。脚と自転車と熱意でもって「証人」にぶちあたり、文字通りの特大スクープネタを次々と手に入れる岸本にテンションぶちあがってるわけじゃん。

それなのに恵那に「お金持ちのお坊ちゃん」と言わせる脚本があらゆる意味で憎いっ!!。
シレっと自分を含めて「守るべきものがある側」であるがゆえにリスクを背負って報道することはできないと、妥協しなければいけないことだってあるんだと、そう言われることのショックをわたしも正面から喰らってしまったじゃないの・・・。
松本死刑囚は冤罪であり犯人は本城彰だと思う」と言いながら、それを報道しない理由が「生活を守るため」だなんてクソ以外のなにものでもないというのに、それでも曲がり角でタクシーを降りて浅川さんが追いかけてきてくれることを期待する岸本が哀れすぎてだな・・・・・・。
(このシーンのゴードンかなり顔がげっそりしてたけど(かなり体重落としたんだろうな)、目元がまっけんによく似てて初めて「兄弟」であることを実感した次第)

そんでもっての村井さんの伝手でネタを託した週刊潮流が校了となったそのタイミングで、被害者が働いていたデリヘルの経営者が逮捕されるというニュースを、いくら疎遠になってしまったとはいえ岸本になんの連絡もなく浅川恵那が読む(ニュース8でそれを知らされる)とかもうね・・・マジで誰がこのシナリオを描いてんだって話(劇中の話ね)。

恵那のせい(とあえて言う)で真実を世に伝えるための仕掛けは無に帰して、被害者の会の記者会見も中止するしかなくなり、そしてクソ刑事を脅したことを理由に局を解雇され、いつのまにか敵を増やしていたことに気づき、孤立状態だったのに寂しくなかったのは浅川さんがいるからで、その浅川さんを失った現実に直面してすっころんで泣く岸本に、勝海舟から武田信玄ジョブチェンジした松尾スズキの激励がおくられた。
武田信玄の言葉は岸本に届いたかな。届いてるよな?。届いていてほしい。

それにしても岸本の解雇理由は「刑事を脅した」ってなことだけど、その事実を知ってるのは当人同士だけであるわけで、岸本でなければあとはもう刑事側がそれを漏らした以外にないんだけど、刑事は刑事で金と引き換えに情報漏洩、いや金で情報を売ったわけで、下手したら懲戒免職だってあるだろうに脅迫されたことを表に出した背景にどんな取引があるんだろうな。まさか平川の接触自体が岸本を潰すための「仕掛け」だったりして?(最初から本城彰の写真を抜いてるわけで、そこに正義感など皆無であることは明らかだし)。
そしてそれは絶妙オブ絶妙なタイミングで風俗店店長が逮捕されたことと連動してるであろうわけで。
でもマスコミも大衆も「冤罪」よりも「被害者が年齢を偽って風俗で働いてた」ことに喰いつくだろうから、それこそ「後追い」報道ができるようになるのだろうか。
(ていうか潮流のスクープが風俗店店長の逮捕によってボツになる理由がイマイチわからんのだけれども。被害者のバイト内容とDNAの話は「被害者」により繋がってはいるけどネタとしては別モノだと思うんだけど。風俗店店長の逮捕により被害者の中学生が下世話な目線で扱われてしまうであろうことは明白だし、そこに燃料を投下するようなことはしてはならないという配慮があってのことだとか?)

残すはあと2話か。どうなるんだろうなーこれ。
まるで岸本が主人公じゃんと思えてしまうのは恵那の心中描写がほぼほぼなくなってるからなんだけど、そこに一発逆転の仕込みがあるんだと希望を込めて思ってるからね?。
と同時に、残り2話となっても鈴木亮平の斎藤が画面の中で経済を解説してるか恵那の広告看板を見てるかしかしてないことが不穏でならない・・・。

そのふたつを両立させることができるとすれば、松本さんは冤罪であることが認められて無罪放免となるも「真犯人」は不明のままで終わる・・・しかないと思うんだけど、そもそもは松本さんの冤罪を晴らすことが目的(チェリーさんの望み)だったわけだし、魔性の男・本城彰については藪の中となってもそれさえ叶えばいいよというのが今のきもち。