佐藤 青南『犬を盗む』

内容を一言でいうとタイトルずばり。
犬を盗んで、犬を盗んで、犬を盗もうとした話でした。

過去に罪を犯した人物の物語としては、現在進行形でやっていること、その動機、そして犯した罪の「真の動機」も理解できるし、この結末も犬にとっても良かったなと思うんだけど、この人物と出会ったことで二人の人間の人生が終わったし壊れたわけで、もちろんそれは二人自身に問題であり理由があるから二人以外に責任があるわけじゃないんだけど、「良かったな」だけじゃない苦味はある。

まああれだ、犬は罪作りな生き物だよ。犬のためならなんでもしちゃうもんな。

というかこれだけ犬が登場するのに柴犬がいないだなんてー!(秋田犬はいるのに!)。