『ファーストペンギン』第9話

和佳に語った生い立ちと省庁を辞めた経緯、そして漁協をトップとする「体制」にも配慮が必要なのではないかという和佳に「甘い」と強い口調で言い捨てた様子からして、波佐間さんは波佐間さんなりの理念のもとで溝口さんが言うように「脱法行為」を行ってるんだろうな。
つまり「確信犯」であって「悪人」ではないと思うのだけど(でも永沢くんに「どうしても好きになれない」と言わせる“何か”はあるのだろう)、結果として外国・外資という『敵』を引き入れるどころか売り渡す橋渡し役という扱いになるようで、その『敵』と戦うためにかつての敵である組合長=漁協と手を組むってな最終ターンになりそうな気配だな。

現状ではこちらもさんしと敵対関係にあるものの日本の資源を外資に食い荒らされることをよしとはしないだろうから、泉谷しげる演じる権力者(名前がわからん)もさんしを救う側に回るならば、気持ち的にはモヤモヤしかないんだけど(だって「針」を使って船を転覆させようとした犯罪者だからね)、でもそれが実話だというなら黙るしかない。

で、戻ってくることになった経緯については哀れすぎて別の意味でなにも言えないんだけど(妊娠は嘘ではないか?と疑ってはいましたが、別の男の種でしたとは思わなかったわ。さすが足立梨花。クソ女としてわたしの予想を軽々と超えてくれるわ)、このタイミングで永沢くんが戻ってきたのは片岡さんを連れ戻すためだったか。

それはまあいいんだけど、またもや片岡さんの問題が流されてしまったのはマジで納得できないんだけど。
息子のパートナーのことだって、平時だったらこんなにスルっと仲良くなんてできないだろうに(最終的に酒酌み交わして仲良くなるにしてもそこにいきつくまでにごちゃごちゃモゴモゴするだろう)行くところがないという自分の都合があるから「息子のパートナーである」という現実に蓋をしてるようにしか見えないんだけど、ドラマ的には「認めました」ってことになってそうだよね、これ。

そこは本筋に関係ないし、息子との関係は“終わった話”でしょうからそこを掘り下げろとは言いませんが、なにが「楽ちゃんいい人だから楽ちゃん先生楽ちゃん先生ってみんなに好かれる」だよ「気味が悪い」と言ったことわたしは忘れてませんけど?とは言いたい。

この流れで思い出したけど、波佐間に言いくるめられてる社長のことを「夫に強く言われて黙って従う妻のよう」だという永沢くんの台詞、なーんか引っかかるんだよな。そこでなぜ「夫」とか「妻」という表現になるのかと、それを言うのが篤か高志ならまだしも永沢くんがそういう表現をするのはなんか嫌。
まあそれは永沢くんの中に社長を女性として意識している面があるからだってことで理解はできるけどさ。