『競争の番人』第3話

ヤマコーさん演じるタピオカ雲海をギャフンと言わせるまで、ウエディングカルテルの話が決着するところまでは様子をみようと思って3話まで見続けましたが、これは駄目かな。

主人公は元捜査一課の刑事で、問題を起こして公取に“飛ばされた”けど成果を上げて捜査一課に戻りたいと思ってる、という設定であるわけですよね?。
ウエディングカルテルの関係者と目する人物が何者かに刺された件については“警察の仕事”であって自分がどうこうできることではないからと公取の職務に励むのはいいとして、重体だったその人物が意識を回復していると知り話を聞きに行って土産にもらってきたどら焼きに毒が入ってて、それを食べてしまった主人公が入院して「身体が丈夫なことだけが取り柄なんで!」で終わりって、ちょっとどう反応していいのかわかんないんだけど。

元捜査一課の刑事で捜査一課に戻りたいという希望を抱いてる人間が殺人未遂の被害者となったら自分で捜査したいと考えないか?。自分で捜査したいけど今の自分は警察官ではなく公正取引委員会の一員なので捜査権はないと、だから自分は今自分に出来るやり方でもって自分を(例えとばっちりだとしても)殺そうとした奴を捕まえてやると、それぐらい考えていい(その葛藤を描くべきだ)とわたしは思うんだけど「健康でよかった!」で終わりとか、どんだけ人間の描き方がペラいのよ。

で、これは前クールで大泉洋が演じた篠田と同じなんだよね。冤罪を着せられ透明人間として数年間生きてきた男の描写に対しても同じことを感じたんだけど、2作続けてそう感じたってことはこれはもう原作がそうなんだろうと判断していいだろうし、それをドラマ化するに際して「人間」を描くつもりはないのだと。

それなら目的は公正取引委員会の仕事、ダイロクVSウエディングカルテルを牛耳る天沢雲海をみっちり描くことにあるのかと思いきや、3話も使って結局追い詰める武器としたのは「盗聴」と「記憶力で帳簿を再現」という非合法な手段と超人技だし、あれだけ狡猾に立ち回ってたはずの雲海がちょっと聞き込めば入手経路が突き止められてしまったことも含めて自ら毒入りどら焼きを置いていくわ追い詰められたら人質とって逃げようとするわで話自体がお粗末すぎる。なまじ仕事(演技)が出来るひとたちを揃えてくれちゃってるもんだから余計にガッカリです。