床品 美帆『431秒後の殺人 京都辻占探偵六角』

第16回ミステリーズ!新人賞を受賞してデビューした作家さんで、初めましてになります。

帯には「“辻占”で失せ物を探し当てる名探偵と助手が挑む 古都・京都の21世紀型不可能犯罪!」とありますが、辻占で失せ物を探し当てるのは探偵役の生業というか副業?で、事件の謎解きには関係ありません。謎解きの手法は至って普通。聞いて見て調べて実証・立証するだけ。
そして「21世紀型不可能犯罪」とは言うものの、タイトル作である「431秒後の殺人」は新しいアイテム・技術を駆使し、かつ京都という町の特殊性を掛け合わせててのトリックなので「京都の21世紀型」と言えなくはないかなと言ったところですが、それ以外の作品は特にそういったこともなく、ゴチャゴチャと面倒な手間暇をかけてトリック仕込んで殺人を実行したけど、結局動機は色や金という古来から普遍的なものでしかないという意味でもむしろ前時代的という印象でした。

探偵役とワトソン役、それから旧知の刑事というこれまたド定番の構成なんですが、先に読んだ母がこの三人をおディーン様とがんちゃんと蔵之介だわよー!年齢なんか無視よ無視!(以前月9で放送してた「シャーロック」というドラマより)と熱弁してくれちゃったもんだから、それでしか読めなくて哀しくなりました・・・。
この手の作品は実写化したら誰が合うかなと妄想するのも楽しみのひとつなのに、オノレ母め・・・。