矢樹 純『マザー・マーダー』

はじめましての作家さんです。

全5話の物語の中心にいるのは梶原美里と梶原恭介の母と息子で、長年自宅に引きこもる息子を溺愛するあまり母親の言動には問題があるのですが、それはさておき前半は母親・美里と関わりを持ったこちらも“母親”である女性たちが梶原親子とは無関係の“家庭の問題”に直面し、それをどう処理するのかという、それぞれの話単体でどんで返し的な楽しみ方ができる作品が続くので“そういう作品”なんだなと理解したところで、3話目で文字通り「梶原家に踏み込む」話となり、そこで息子の存在を疑うことになる。続く4話目では息子・恭介が登場し、さらに美里の過去が明らかになり、最後の5話目で「ん?どういうこと???」と混乱する羽目に。


以下、内容に触れてます。






時系列的には4話→3話→1話→2話→5話 でいいのか?。
1話の時点では美里は“厄介な隣人”ってだけだし、母親殺人が発覚したあとで2話の主人公が病院を辞めたってことは1→2→5の順であることは間違いないと思うんだけど、3話がよくわからん。時系列としてはここに入るしかないんだけど、そもそもこの話だけ異色すぎて。
母親の異常性はわかるんだけど、子供を産むことができなくなったってことはこれは美里ではなく睦子の話ってことなの?。でも5話に登場する霊能者とそのマネージャーみたいな男は3話で登場する引き出し屋コンビだろうから(野崎の性別が5話全体を通して一番の驚きでした)(ていうかなにがどうなって霊能者にジョブチェンジしたんだ?)、3話から5話の間はさほど時間の経過はないと思うんだよな。
梶原家の事情(家系図)は説明された通りだろうし、事実としては「18年前に母親を殺しました」というただそれだけのことなのでしょうが、3話をどう扱えばいいのかわからなくて混乱するわ・・・。