『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』ドン8話「ろんげのとりこ」

視聴者に対し正式につよしの愛する妻「みほちゃん」と翼の大切な存在「夏美」が見た目的には『同じ』であり、2人が語るみほちゃんと夏美はプロポーズのシチュエーション含め『全部同じ』であると正式に説明される回・・・ていうか翼はプロポーズしとったんかい!(そこまで深い関係だったんかい!)
だと思ったら、つよしの『闇』が爆誕する回でした。イキリつよし回で“本性”というか、ああいう“一面”もあるんだなとは思ってたけど、どこまでその自覚があるんだかはわからないけど「脳人に倒される」ことをヨシとしてしまった=殺人を肯定したのは驚いた。
これがみほちゃんを傷つけた奴を「自分の手で」懲らしめるならわかる。戦隊ヒーローの行動としては認めたくないところだけど、人間の感情として理解はできる。
でもキジがやったことは「タロウではなくソノイに倒させる」ことだからね。明確にそれが「どういうこと」なのかを理解してなかったとしても、そこにつよしの「悪意」、もっと言ってしまえば「殺意」があったことは間違いないだろう。

これで表向きは「指名手配犯」の翼だけしか『マトモ』な人間がいなくなってしまったわけで、改めて今年の戦隊はどうなってんだよ。
人間の欲望が戦いの鍵となっている作品なので、ヒーロー側も“不完全”な人間たちが集められているということだとしても、つよしのこのラストカットは一線を大股で超えちゃった感でヤバイ。それこそ「独占欲」の塊じゃん。
そんな人間と女を取り合う(ことになるかもしれない)人間が同じ戦隊にいるとかヤバすぎんだろ。
(タロウはソノイと共に人命救助し(ここの関係性もまた良いな!)、翼はナンパ男から女性を守り(ソノニだけど)、教授は子供の望みを叶えてやり、はるかもまあ・・・無断で他人をスケッチすることを注意するという「善行」を揃って行ったってのもつよしとの「対比」目的だったりするんだろうし)


ヤバいといえばみほちゃんも。夜道で襲われ目が覚めたら見知らぬ場所で目の前にいた男に「画のモデルになれ」と言われて従うところまではいいんだけど、突然「私美容師なんで髪を切らせて」と言い出して、そこは当然逃げるチャンスを作るためなんだけど、取った方法が「髪の毛を切ると同時に男を後ろ手にして切った髪で拘束する」って、こんなの美容師資格の有無を抜きにして“一般人”に出来ることじゃないわけで、みほちゃんはこれ先代ドンブラってことはないかな?。

脳人たちの世界と人間の世界がいつから今のような関係性として存在してるのかわかりませんが、昨日今日始まったってことじゃないと思うのよ。
そして人間の「欲望」は昔から存在する。穢刃という存在が昔からいたように。それは封刃師の話ですが。
だからヒトツ鬼も最近になって出現するようになったってことはないんじゃないかと思うの。
であればヒトツ鬼を便宜上この言葉を使うけど倒すためにドンブラザーズとして戦う人間もまた以前から存在していたと考えていいんじゃないかと。
つまりみほちゃんは元は「夏美」で、戦って貯めたポイントを使ってドンブラを辞めることができたけど、その引き換えの“不幸”として「夏美」としての人生を失い「みほちゃん」として生まれ変わった、とか。
それでもドンブラとして戦ってた時のことは“身体が覚えてる”から咄嗟にそんな行動をとることができた、とか。

そうなると可哀想なのは翼だけど、そういうことならつよしにとっての「みほちゃん」に変わりはないわけで、ここまで見てきた翼ならば「夏美が選んだことなら仕方がない」と身を引いてくれそうだし、それが一番丸く収まるのではないか。
・・・まあ「ここまで見てきたつよし」がまさかこれほど闇を抱えてるとは思ってなかったんで、「ここまで見てきた翼」もほんとのところはわからんけどな。

つよしの闇が消えるとしたらそれはみほちゃんへの依存、みほちゃんという他人の存在によってのみ自分の存在価値・理由を自覚していることにつよし自身が気づき、それはほんとうの愛じゃないと、対して翼のソレは夏美の幸せだけを考える真の愛だってところまで理解する時なのではないかと思うのだけど、そんな戦隊作品心底厭だわw。