『ファイトソング』第9話

ああなるほど。耳が聴こえないってのは声が聞こえない、言葉が聞こえないというだけでなく「無音」の世界ということなのか。
その状態で目の前の人間が「何を言っているか」を口の動きで判別することがどれほど難しいことなのかはラストの花枝を待ち伏せする春樹が喋ってることが全く判らなかったことでほんのすこーーーーーーーーーーーーーーーしだけ分かったけど、それはさておき「2年たっての今がどういう状態」なのかをすべて台詞で説明するの、言葉選ばずに言うけど下手くそすぎません?。

「自分が喋り終わるまで最後まで聞いてくれと頼んだ」ことを説明するにしたって周囲の人間と筆談やボイスメモを使ってわりとスムーズにやりとりできるようになってる「2年後」にこんな流れで長々と説明する不自然さたるや。
それは薫が春樹のマネージャーになってることもそう。当時の薫がなにを思って春樹をATMにして飲み食いしてたかを2年たったこのタイミング、あの流れで言うのも唐突すぎるでしょ。セットアップ姿がえらいカッコよくてすっかり“業界の人”っぽくなってんのに。
そこいらへんのことを視聴者に対して説明するにしても、やり方がマジで下手くそすぎてびっくりしたわ。

慎吾のガチ告白に対しては「(これまで散々好きだの結婚しようだの言ってたことをネタとして流し続けたことを思い出しつつ)それが本当だとしたら慎吾はこれまでずと辛かったってこと?」そういうことなら「ごめんって言うしかないじゃん。世界で一番すきな人なのに」と言って泣いた花枝に対し、街中で気づいたら春樹が目の間にいて「自分の耳が聴こえなくなったことを春樹が知っている」と悟った瞬間逃げる花枝かー。
ダッシュでガチ逃げする花枝を話を聞いて欲しくて追いかける春樹に対し、花枝の身を案じて追いかける慎吾。

と、ここいらへんの単純な三角関係ではない「恋」「愛」模様はそれが面白いかは別の話として描こうとしてるところは理解できる気がするけど(そこを描く時間はもうないだろうけど、花枝←慎吾←凛の三角関係のほうは慎吾はそんなに昔から、というかもう最初っから「花枝を女として見ていた」んだろうからずっとずっと好きだったでいいとして、凛ちゃんはいつ頃から慎吾のことを好きなんだろう?。同じように家族同然に育ち片方にとっては家族で片方にとっては愛する相手になる、その違いはちょっと興味あるかな。家族のように育ったといっても本当に「家族」のつもりでいるのは花枝だけって視点でみるとなんかちょっと違った感じになりそうじゃない?)、春樹が花枝の耳のことを知る流れとかやっぱり引っかかるんだよね。

花枝は「耳が聴こえなくなったこと」を知られたくない相手がいるのにインターネットに流れる動画という「半永久的に残る形」でその事実を隠すことなく公表するし、街で見かけた花枝にガン無視されたからって花枝の名前をインターネットで検索する春樹はなんか気持ち悪いし、もうちょっとこう、うまいことやれないもんですかね?と思ってしまった。


ていうかこの期に及んで春樹を「気持ち悪い」と思わせるところがダメよね・・・。
ていうか間宮祥太朗はやはり「こっち側」が似合う男なのよ。