『アバランチ』最終話

3年前の案件が大山による偽装テロであることを藤田は知ってたのかよ。
しかもなに?死んだのは「4人も!?」って驚いてたけど、その口ぶりからして一人か二人ぐらいは死ぬだろうと思ってた、それを承知の上で任務にあたったってことなのかよ。
控えめに言って最悪じゃねーか。
だったらキッチリ羽生を仕留めればいいのに、それが藤田のケジメだろうに、急所外して「二度と姿を見せるな」と言いおいておしまいってなにそれ。なんなんコイツ。

って、最終回が始まって5分かそこいらでテンションドン底まで落ちたよね。GPSを頼りに羽生を助けにくるのも桐島ちゃんでなくマッキー&リナだったし。


ていうかコレ、重要なのは一番最後。
大山を官房副長官の椅子から引きずり下ろすための作戦に桐島ちゃんの関与が一切なかったことが不満なの。桐島ちゃんだってアバランチだろうが。


挙句撃たれる羽生を見てもなにもせず・なにもできずその場から逃げるように立ち去り、屋上でジッポいじりながらカッコつけて笑う藤田って、まじでコイツなにがしたかったのかと。
部下を犠牲にすること前提の話に乗ったこともわからんし、何を考えて・何をするために極東リサーチの一員として山守や羽生の前に現れたのかもわからんし、こんなヤツのためにウチさんが死んだのかと思うとまあ納得はいかんよね。
ウチさんがつくったネックレスが形勢逆転の文字通り「鍵」となったし(その手法は虚無状態だった羽生がもう一度「正義」を信じようと思うキッカケを作ってくれた社長令嬢のあかりのソレと同じってところはグッとくるポイントだった)、爆破現場でウチさんが客を避難させてる動画が拡散されたみたいだから爆弾魔のテロリストってな汚名は雪げたとしても、ウチさんが死んだ事実は覆らないんだから。

藤田を実は最初から大山を狙ってたとか最後の局面で大山を裏切ってアバランチ側に付くとか、そんな甘っちょろい(ゆえにありがちな)存在として描かなかったことは評価するし、山守と桐島に実は生きてましたと顔見せし羽生とお話してお土産に一発撃ちこんだだけで結局のところ「何もしない」ことそれ自体が藤田の「答え」というならばそれも理解はできるんだけど、でもあのラストのカッコつけカットは納得いかん!。お前にそんな顔で笑う資格はねーだろよ。

でもまあ、郷原総理が期待通りの働きをしっかり果たしてくれたことで満足したのは確か。
羽生の病室を訪ねてきてくれた理由を「国民の話を聞くのが総理の役目だからね」と言い、大山の敗因は国民を信じなかったことだとして「やりすぎちゃったね」と軽やかに言ってのけた郷原総理が最終的に持ってったもんね。
そこに(羽生の病室を訪ねる理由として)桐島くんにあれだけ言われてしまったら来るしかないとかさ、桐島ちゃんの後ろ盾があったらなお良かったけど。


終わってみれば桐島がアバランチイヤフォンを耳に装着した瞬間がピークでした。あれは今期イチの名シーンだと思う。

そのうえで、藤井監督を担ぎ上げたことだし映画化を見越してのこの終わり方なのかなってことで納得するとします