『顔だけ先生』第8話

学園ドラマでありながら毎回結構ヘビーでハードな問題でありテーマを「ジ遠藤」という特殊なキャラを使って軽やかに描いてみせるなあと感心しながらここまで見続けてきましたが、今回は「1話」としてちょっととんでもないレベルでまとめてみせたような。

前回の話で佐川さんという生徒と交流をもったことで遠藤が占いに目覚めるところから始まって、その占いによって亀高と早坂の友情に罅が入ってしまう話と、自己評価が異常に高いミュージシャン志望の翼と翼の作る曲を絶賛する大輝が生徒たちの間で流行してる遠藤の占いを頼った結果「現実」を突き付けられてしまった話が並行して描かれていたのですが、前者はゲイである早坂と母親との確執という問題があって、後者は大輝の行動の背景には翼に対する恋愛感情があって、両者を遠藤の「必要なのは『愛』」という捉え方次第のアドバイスでふんわり結びつつ、亀高のおせっかいで最悪の誕生日になったけど、でもお誕生日おめでとうと言われたことはうれしかったからもう一回電話をして話をしたけど結局やっぱり喧嘩しちゃったと笑っている早坂に「遅くなっちゃったけど、お誕生日ありがとう」と泣き笑いで抱きつく亀高の「友情」と、曲作りの才能はないけど俳句という予想外のところで才能を認められた翼が自分に好意を抱く大輝に対し「今は無理だけど先はどうなるかわからない」と言うも、「そのとき僕が君のことを好きでいるかはわからない」と返す大輝の「愛情」と、このさすがにちょっと詰め込み過ぎではないか?とすら思った2つの話が最終的にこういう形でクロスオーバーするとはちょっと予想外すぎて、捻りのない表現になるけど感動してしまった。