『日本沈没-希望のひと-』第5話

予算の問題とは別に日本各地で起きた災害を思い出させてしまうから直接的な描写は避けた、ということなのかもしれませんが(であればその判断を否定することはしません)、背後から迫りくる地割れから必死で逃げる天海と椎名が「あっ」となって暗転した前回のラストを繰り返すところから始まって、「あっ」となった次の瞬間頭に包帯を巻いた天海が目を覚まして関東沈没の第一波が終了するってのはさすがにやる気あんのかと言うしか。
あの状況からどうやって助かるのかと意地悪目線で楽しみにしてたけど、地面の亀裂に落ちたところに街灯が倒れてきて椎名を庇った天海は頭部を負傷しましたという説明には耳を疑ったわ。天海たちが居た場所は湾岸地区だろうに沈まなかったんかーい!って。

そんで一般国民が第二波に怯えるなかコネを使って「第二波はない」「関東沈没はこれにて終了」と知るや否や家族探し「だけ」に没頭する主人公とかなんなのこれ。
関東各地で道路が寸断されて云々っつってるのに車→船→徒歩という手段で半日程度(に見えた)で目的地まで辿りつけちゃったことには目をつぶるとしても、自分たちと同じように避難バスで大切な家族を送り出した人間は大勢いるわけで、その人たちが自分たちと同じように好き勝手に家族の無事を確かめるべく移動したら余計混乱が広まる(からその場で家族の安否が判るまで待機しよう)とか一切考えない奴に「国民を守りたい」とか言われてもって話だろ。
そんでなに?“妻子のためにこれほどまでに必死で駆け付け避難所運営に手を貸し環境を良くすべく避難対策の中心である未来推進会議の人間に「直接お願い」したというのにその妻子は新しい男と「家族仲良く」暖かい食事を食べて笑い合ってるのを見て切な顔”とか、これを見てなにを思えと?。

つーかこの避難所は “関東を脱出して避難する途中でトンネル崩落事故に巻き込まれた人たち”が集っているわけで、自衛隊車を始め総理までもが車であれほど隊列組んで視察に来れるぐらい道路事情が改善してるならさっさとバスを用意して目的地へ輸送すればいいだけじゃん。家を失って生活もままならないから避難してる人たちってわけじゃないんだからさ。

挙句2週間かそこいらで「日常生活を取り戻しつつあります」から「飲みに行きましょう!」ってさあ、思ってたほどではなかったにせよ死者はいるし家屋の被害もあるんだろうし、人的被害は抑えられても沿岸部にあった工場やら倉庫やら壊滅で物流とか相当大変なことになってるだろうし、いくら湾岸地域の「一部」が水没しただけで済んだとしてもそこには鉄道の線路が通ってただろうし、ガスや電気や水道だって復旧してるとは思えないけど、そんな状態で「私相当呑みますよ?」って他人事ですか?お気楽ですね!としか言えんわ。