東野 圭吾『透明な螺旋』


ガリレオシリーズです。

海で射殺された痕がある男性の遺体が発見されて、捜索願が出ている人物の可能性が高いことが判り届けを出した同居人女性を訪ねると行方が分からなくなっていた。
という始まりで、逃亡している可能性が高い同居人女性に協力していると思しき絵本作家が出版した絵本の参考文献として湯川の著作が記されていたことから久々に連絡を取ろうとした草薙は、湯川は自宅を離れ横須賀で父親とともに認知症の母親の介護をしていることを知るのです。

え?母親の介護・・・?という状況に対する驚きはあるものの、ここまではまあさして違和感を覚えることはなかったのですが、今回の事件は言ってしまえば「普通の事件」でしかないので湯川に協力を求めるとすれば連絡が取れない絵本作家にコンタクトを取ってくれというこれまた「普通の要請」でしかなく、これ「ガリレオシリーズ」でやるネタか?という疑問がわりと早い段階で浮かぶわけですよ。むしろ加賀恭一郎シリーズ向きではないか?と。

で、読み終わる頃には呆然。

湯川の生い立ちとか知りたくなかった・・・・・・。
いや、知りたくないってのは正しい言い方じゃないな。それを知る心の準備がまったくなかったので知らされてしまったそれをどこにしまえばいいのかわからない、という感じです。