『日本沈没-希望のひと-』

まあ「予想通り」の感じだな。よくもわるくも。
それなりのお金をかけて一生懸命作ってることは伝わってくるけれど(でも映像そのものはそんなにお金かかってる感じはしません)、感想を書き残しておきたいと思わせる「なにか」はない。
そういう意味では前クールのMERのほうが断然その「なにか」があった。

この先、すくなくとも次回は会議とか議論のシーンが中心になるんだろうけど、今は事態の重大性をまったくわかってない状態だからってことを差し引いてもどこぞのIT企業の会議かよってな軽さだし、キャラ造形に問題があるように思う香川さんは別枠として國村隼さんと石橋蓮司さんぐらいしか“それっぽい”ひとがいなくて、シン・ゴジラと比べて(映画と連ドラじゃ条件が違うとはいえ当然意識はしてると思うので)政府や官僚、専門家のあれこれに期待が持てなさ過ぎる。

その國村さんの世良教授は田所博士が主張するなんたらスリップの証拠を「見た」のかどうかは現時点ではわからない。見た(見えたような気がした)かもしれないけど画像やデータとして確認できなかったということは「なかった」と判断したのだろうとわたしは解釈しますが(まさか海保のデータを改ざん・捏造するようなことまではしていないだろうと)、島がひとつ沈没し、田所がそれを「予知」していたという『事実』については否定というか、関東沈没の予兆などではないと言うのでしょうがそれが学者としての判断ではなく権力者として、保身とかプライドとかそんなものからくる「判断」なのだとしたら権力に立ち向かう小栗&香川ってな構図になってしまいそうで、そういうのは半沢だけで充分ですと言いたい。

まあ事は(原因がCOMSなるものにあるにせよ)超大規模自然災害であるわけで、どこかの段階で権力に立ち向かってる場合じゃないってか、権力のほうも日本が沈没しちゃったら権力もなにもないってな話になるでしょうけど。
(ああでもCOMSが原因ってことになるならば、COMSをどうにかすることで沈没を防げるっては話になるかもだし、原因含めそれを世界に公表するか否かで揉めたりしそう)

ていうか、なんたらスリップを「見た」ことと、ほんとうに島が沈んだことで天海は田所支持に回るのでしょうが、田所をなんでこんなマッドサイエンティストとして作っちゃったかなー。変人なのはいいと思うんだけど人間として信じられるところは初回から見せてほしかった。
(閉所恐怖症なら最初から潜水艇に乗るな!ってことはそれとして)意識を失いかけてる人間がいるのに「多くの命を救うために調査を続行しろ」と主張したことと、沈む島を見ながら浮かべた笑みでアウトでしょ。

『「日本の未来のため」であれば“そんな人間”の言うことでも信じる(聞く耳を持つ)主人公』を描くためかもしれませんが、だとしてもこれほどまでにアクの強い人物にしなくてもいいのではないか。

それを言うなら海底の割れ目から熱水が噴き出ている危険性を知識として理解できずともそれが「危ない」と判断すらできず顔を突っ込もうとするバカが主人公、それも官僚でいいのかって話なんだけどw。

それでも主題歌がMISIAにでもしておけばなんとなくそれっぽい感じになるだろうに、菅田将暉ってなんやねん。
と思ったら“これからの日本沈没”のBGM扱いで笑った。

あと同じ『豪華キャスト』でもオリバーの犬とは豪華の意味合いが違うんだな、と思った次第。