『青天を衝け』第25回「篤太夫、帰国する」

池田屋の土方さんは顔面優勝だけど線が細すぎてわたし好みの土方歳三ではないかなと思ったもんですが、函館の土方さんは凄み増し増しで思わず息を吞んだ。
『息を呑む』って表現のソレではなく、文字通り「・・・ごくり」ってな感じでした。
近藤さんとの別離を筆頭に函館に至る道のりがどれほど悲惨で残酷で、そして非道なものであったのか、言葉にせずともそれが土方さんの顔に現れているようで、なんともいえない凄惨な美鬼と化していて「これこれこれこれ!これがわたしの求める土方歳三の顔!!美!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」と光速手のひら返しせざるを得ない。
と大興奮してたら「もう一人の渋沢」のピンチを華麗に救い、銃を肩に担いで「戦い方を変えた」と、刀を捨てたとサラっと言ってのけたかと思ったらひらりと身をひるがえして颯爽とかけていくその後ろ姿がまさしくわたしが理想とする土方歳三のお姿以外のなにものでもなくてですね、もはやひれ伏す以外にわたしにできることはない。

合間に挿入される髪をかき乱しながら慟哭するお亮の「美しい」としか言いようがない横顔アップと相まって顔面レベルが限界突破で顔面だけでわたしの処理能力が耐えきれない!話が入ってこない!(一番麗しいのはもちろん民部公子様な!ウールちゃんの印象をあっという間に塗り替えるはまり役に出会えた板垣くんのこれからが楽しみすぎる!)(そして一番面白いのは山内圭哉の謎テンション岩倉具視w)。

ていうか成一郎と土方歳三の並びが完全に乙女ゲームのそれ。幕末カレシ的な。
土方さん喋るとソフトな感じになっちゃうから余計に乙女ゲー感が強い。とはいえそういうゲームやったことないんでどんなだか知らないんだけどw。


栄一と喜作が「もう会うことはないだろう」とお互いに覚悟し合ってるのも哀しいけど、2人が揃って「平九郎はどうした!?」と探し求めてるのが展開としてズルいし上手い。帰国した栄一があとから話を聞くという形にしたことで、栄一を通して平九郎の「最期」を視聴者が知るという、この構成が実に見事。
この時代の渦中どころか中心に近いところにいながら蚊帳の外状態で話としてそれを聞くことしかできない主人公ってのも切り口として面白いし。やっぱり栄一を好きにはなれないけど。

そして長七郎も含めて血洗島で生まれ育った若者たちの運命がこうまで違ってしまったことになんとも言えない気持ちになるよね・・・。その若者たちを言い方悪いけど“洗脳”した惇忠兄いがシレっと村に戻れていることとかさ・・・(兄いに悪感情を抱いているわけではないけど、悪運強いなとは思う)。