5月21日のプレビュー公演から7月26日の千穐楽まで、90公演近いスケジュールをキャストスタッフ誰一人感染者を出すことなくやり切ることができたこと、それがどれほどの努力と苦労の上での「結果」なのだろうかと思うとまさしく奇跡としか言いようがありません。
この状況下で観劇をするにあたり、正直言って公演に集中できたとは言えません。それは主に客側に理由があって、客(席)側がとにかくうるさく、小声でならばまだしも周りに聞こえる音量でそれ今この場で話す必要あります?としか思えない内容の話を幕が上がる直前までし続けているような人たちがいたりして、これほどまでに弛緩した状態であることが上演を続けることに対しさらなる気苦労を掛けることになると判らない人間がこんなにもいるのかと愕然としたし、憤慨もしました。マスクしてるだけでほとんど普通の状態だもの。
そんななかで帝国劇場公演を全公演やり遂げることができたことは、一ファンとしてほんとうにほんとうに良かったなと、それしかありません。
3期目の相葉アンジョルラスはしっかりと地に足がついていました。
アンジョルラスとしても相葉裕樹としても、確かにそこに「居た」。
1期目は天を舞う光の天使だった相葉アンジョルラスが、2期目では地上に舞い降りた光の大天使となり、そして3期目では光輝く革命戦士となりました。
眩いばかりの光で学生たちを照らし導くアンジョルラスも素敵だったけど、仲間と共に戦い、絶望し、絶望のなかで自由に手を伸ばして仲間と共に死ぬアンジョルラスはただただ美しかった。血の通った肉体を備え、あの時代に生きていた。
もはや無敵のアンジョルラス。
死ぬことで無敵になるのがアンジョルラスなんだ、と3期目にしてついにわたしはその境地にまでたどり着くことができました。
相葉アンジョの集大成を見せてもらった満足感でみっちみち。
次があるかはわからないけど、これで最後だとしても思い残すことはなにもない。
銃を掲げて民衆を率いる相葉アンジョルラスの背中(と警官のバイトで階段を上りかける無駄に長い脚とABCカフェでテーブルに腰かける無駄に長い脚)をわたしは一生忘れない。
この最高にカッコいい役を実力で手にしてくれた相葉裕樹さんを誇りに思います。
相葉っちを好きになって、好きでい続けた自分のことも褒めてやりたい。