合格発表の日に事故に遭い陸上(部に入ること)を諦め、友人に誘われ放送部に入った高校生が主人公で、1年でありながら駅伝メンバーに選ばれるのではと期待される中学時代のチームメイトに対する複雑な感情や陸上への未練を抱えつつ、新たな仲間とともに新たな目標に向かおうとする青春物語です。
やっぱり着地はそこになるかー。
去年、甲子園を筆頭にあらゆるスポーツの大会が中止になり「可哀想」という多くの声が寄せられていましたが、その声に応える形で「代わり」となる場が与えられたスポーツもあれば諦めるしかなかったスポーツもあるなかで、それらのニュースを見聞きした時に私がまず思ったことって文科系の部活のフォローはされているのだろうか?ということだったんですよね。「汗と涙」「努力と根性」という頑張りが目につきやすい、想像しやすい運動部ばかり「可哀想扱い」されてるけど、文科系の部活だって同じように大会や発表会に向けて頑張ってきたのに・・・って。
なので、それまでは“そんな要素”は全くなかったのに、最後に数ページで一気に現実と地続きになってしまったことが辛かった。そして、割り切れない思いを抱えながらも前に進もうとする作中の高校生たちに救われる・・・とはちょっと違うんだけど、安堵のような気持ちで読み終えました。
・・・「オダユー」ってモデル誰だよ?と思いながら。
湊かなえエキスとしては、放送部員の久米さんと同じ中学出身の女子生徒との関係にそれを感じることはできますが、湊かなえ比としては3%ぐらいですかね。なので物足りなさはありますが、たまにはこういうのもいいよね、という感じです。特に心がすり減りまくっている今は。
で、オダユーのモデルはDのひとでいいのかな?(私はそのつもりで読みました)。