『コントが始まる』第5話

これまでにもまして辛気臭い回だなぁ。
今回潤平が後輩(とその同僚)に受けた仕打ちであり春斗が同級生から受けた同情がまさに真壁先生が言う「18から28と28から38は別次元の苦しみ」に含まれるものなのでしょうが、もともとマクベスの三人って「マクベスで売れてやる!」というわけでもなかったんだろうなーと今回を見て思った。

芸人に限ったことじゃないけど、そういう形のない仕事(という表現は正しくないかもしれませんが)をするにあたり人脈とかコネってのは掴んだら離してはならないものじゃないのかな。高校時代に女の取り合いをしたという“過去”があったとしても、10年経ってそいつがそれなりの地位に立っていて仕事をくれるというならば受ける以外の選択はないだろうとわたしは思う。「本気で売りたいものなら俺らではなく別のタレントを使う」という春斗の指摘はまあその通りだけど、それでも内心はどうあれ売れたいのならばどんな仕事でも受けるべき。だってなにがキッカケで売れるかなんてわかんないんだから、チャンスはひとつでも多いほうがいいに決まってるもの。

そこで「同情なんていらない」とカッコつけちゃうところが春斗の甘いところであり、後輩の同僚に好き勝手言われて適当に笑わせることすらせず(できず)キッパリ断ることもしなかった挙句動揺(気持ち)を顔に出しちゃうところが潤平のダメなところなんだろうし、つまるところ芸人としては「その程度」でしかなかった、ということなのだと。
そして瞬太はマクベスを「居場所」にしてるだけなので、「ああなったらおしまい」状態になってしまっても何も言うことができず、受け入れることしかできないと。

浅香くんが演じる勇馬が「高校時代で時間が止まってる」と言ってたけどド図星だよね。勇馬にとっては“過去”なのに(バスケ部時代の写真を職場に飾ってるぐらいだし、“過去の栄光”を引きずってるところが勇馬にもあるのでしょうが)、潤平たちはそれが“過去”になってない。その言葉は残酷なまでに春斗に突き刺さったことだろうし、その点、あの状況でもマクベスに助っ人を頼まない奈津美はとっくの昔に高校時代を過去にして、今という現実を生きているのだろう。

そして奈津美の応対と勇馬の依頼を対比として見るならば、勇馬はやっぱり内心どこかでうだつの上がらない三人に仕事を与えることで優越感に浸ろうとしてたところはあったのだろう。


そのうえで、解散することを正式に決めた夜に潤平が漏らした「これでもう春斗とケンカしないで済む」という本音が哀しいし切ない。
このうえ奈津美を失うことになるかもしれないと思うと、ますます辛気臭いことになってしまう・・・。