『桜の塔』

証拠を捏造するどころか誰かを使うことなく自ら犯罪教唆(森崎ウィンくんがすれ違いざま声を聴いて計画を持ち掛けてきた男の声か?となってて、タマキングの声ならば気づいてもおかしくないよねというド説得力)してまで「警察の頂点」を目指す今回の玉木宏ですが、その昏い野望の背景には自殺した父親の存在(その理由であり事情)があるんでしょ?。つまり、特定の「人間」ではなく警察という「組織」に復讐しようとしているのが今回の玉木宏ということですね?。特徴としては「アル中」ってところか。

と、いちいち「今回の」と付けたくなってしまうほど既視感がありすぎるものの、椎名桔平刑事部長・外様派)・吉田鋼太郎(警備部長・薩摩派)・光石研(刑務部長・東大派)という分かりやすすぎる権力争いにぶら下がるポジションであり、上司と同様に玉木宏馬場徹渡辺大知の同期と出世レースをしてるという入れ子のような構造は面白い。

ていうか馬場さんが!馬場さんがタマキングのライバルポジションを演じる時代がキタワアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!

馬場さんの役、父親が警察庁長官で、薩摩派だけあって一見豪放磊落だけどナイーブさを隠し持ってるとかなにこのご褒美設定!
ていうか渡辺大知の役が一見温厚だけど出世欲も持ち合わせてるという設定らしく、併せて無限の可能性が広がるんですけど!!!(あ、妄想のね)。

それから、玉木宏を取り巻く女性として、幼馴染でノンキャリ刑事の広末涼子と上司の娘の仲里依紗、そして玉木宏の父親に恩義があり橋本じゅんとともに裏仕事・裏工作を手伝うクラブのママに高岡早紀というキャスティングもなかなかに手堅い&少数精鋭って感じで好ましいし、若手に岡田健史を配してるのもこの先“玉木宏に利用されボロボロにされる岡田健史”となるのか、“岡田健史の正義の剣で刺し貫かれる玉木宏”になるのか、と楽しみでしかないし、枠のイメージからしてもっと温い感じの“権力争い”なのだろうと思ってたところがいい意味で予想を裏切られた。
枠が枠なんで最終的にはお涙ちょうだいになるかもしれないけど、このまま(この点ではこの枠らしく)リアリティがなんぼのもんじゃい!なピカレスクロマンとして突っ走ってもらいたい。