『姉ちゃんの恋人』第4話

ああ、真人が幸せになることを諦めている理由は他人の命を奪ったからとかではなく恋人に裏切られたからなのか。もちろん他人を傷つけてしまったこと、我を忘れて人間を殴った感触や血の臭いや温度、そういう記憶もまだ鮮明なんだろうし、もしまた同じようなことになったらその時自分はまた同じことをしてしまうのではないかという恐怖もあるのかもしれないけど、それよりも彼女に裏切られるというか見捨てられるというか、「彼女のためにやったこと」をなかったことにされるという、そんな思いをもう二度としたくないからってことなのか。
であれば桃子からのアプローチに応えられないことに理解も共感もできるし、『恋人の裏切り』のために恋人が襲われそうになるという状況が必要だというのもまあわからなくはないとして、それにしたってちょっとこの描写は酷くない?。

恋人のためになにか罪を犯したのだろうとは予想できたし、殺人だろうと思っていたものが傷害だったのは「そこまで酷い話じゃなかった」と言えるけど、結構人通りのある繁華街みたいなところをイチャイチャしながら歩いてて、肩がちょっとぶつかったらそいつらに腹パン喰らって悶えてる間に彼女が暗がりに連れていかれてレイプされてましたって、いくらなんでも治安悪すぎません?。
あれだけ人も車も通ってれば目撃者もいるだろうし、現実的なことを言えば防犯カメラとかドライブレコーダーとか真人の話を裏付ける材料が見つかりそうなものなのに、警察は「酒飲んで酔ってたんだろう?」と疑ってかかり、その結果執行猶予なしの実刑2年ってことは真人が一方的に暴力を振るったと判断されたってことなんだろうし、あまりにも事情がひど過ぎる。そんな過去回想を見せられた挙句“BGMだけが流れるなか何かを叫び土手を走る林遣都”とかわたしなんのドラマ見てるんだっけ?となったわ。


で、桃子と真人が一緒にいるところをおじさんであり保護司である川上が目撃したんで、真人の過去について保護司としてなにがしかの補足説明があるんじゃないかと思うし、そこで恋人が偽証した理由も語られるかもしれないけど、前回の感想で罪を犯して2.3年で幸せになってもいいかと言われても即「いいよ」とは言えないかもしれないと書きましたが、それがあるにせよないにせよ今明らかになってることだけで、こういう事情ならば真人は今すぐ幸せになってもいいと思うよとわたしの気持ちは変わりました。
心情的には真人なにもわるくないもん。こんなの法的には100%被害者とされているのであろうレイプ野郎が悪いんであって傷害の罪についてはわたし的にはノーカンです。
となればあとは恋人に裏切られたトラウマで、それは真人にもなにか理由があるかもしれないから今は何とも言えないところだけど、そこはもう男女間の問題だし、真人の気持ちの問題でしかないもん。過去など忘れて幸せになったらええがな!ってな話よ。まあわたしは特にそんな話を見たいわけじゃないんだけどさ。

あ、でも恋人は裏切り司法にも信じてもらえなかったとしても母親だけは「襲われた恋人を助けようとした」と信じてくれるだろうし、そこまで幸せになることを『諦める』ことはないんじゃないかな?と思うわけで、でも実際のところこの母息子には暗い影というか、重い荷物というか、そんなものを背負ってる雰囲気あるんだよな。ってところで気になるのがその「母子家庭」ってことなんだけど、父親が亡くなった理由は真人にある・・・・・・なんて話だったりするのだろうか。真相はどうあれ社会的には「傷害で2年の実刑」なわけで、結果的にそれが理由で亡くなってしまったとか。
今の時点で真人の背景は充分すぎるほど重いので、もうこれ以上はいらないんですけど・・・(もがき苦しむ林遣都は見たいけど、それは別のドラマでお願いしたい)。