『この恋あたためますか』第3話

今回も太賀はとてもいい報われない男っぷりであった。

記者会見の言葉遣いはともかく(ビジネス言葉を使えとは言わないけど普通に生きてたらこういう場はもうちょいマトモな言葉で喋らなきゃと思うだろうに、それができないってことは自分としては年齢の問題でアイドル首になったと思ってるみたいだけどそれよりも頭の悪さが理由なんじゃないかな?と思っちゃうよね)事情を側で見て知ってるひとにしてみりゃ言ってることは完全に社長への告白だし、その自覚がないままに社長にシュークリームを届けよう(一緒に食べよう)としてる樹木を通常モードで見送ったあと、切ない顔する太賀が切ない。

商品化されたシュークリームを直接自分の手で売ったあとガバっと抱きついてきたり、発売後の感想を並んでエゴサしたりとか物理的に距離感が近すぎるんだけど、それは自分のことを「男」だとは思ってないからだとわかってる太賀が切ない。

樹木とコンビニ定員による彼氏のだとかまだ彼氏じゃないだとかの騒ぎのあと、さりげないふうを装ってスーツの上着を「俺が返しておこうか?」と言うも「自分で返すからいい」って言われちゃう太賀が哀しい。

で、なにが一番切ないし哀しいって、結局のところ北川⇔浅羽⇔樹木という三角関係であって太賀は独りで樹木のことをおもってるだけってところなのよね。
今回北川と浅羽が抱き合ってるところを目撃しちゃった(このご時世どこで誰が見てるかわからないし、誰がどう攻撃してくるかわからないんだから社内の休憩スペースらしきところでそんなことしてんなよと。そんなことだから浅羽はコンビニなんぞに出向させられるんじゃないんですかね?)樹木を慰めて「俺じゃダメか?」ムーブになるとしても、「いや無理です」と即答される気配しかないもん。当て馬にすらならん。だがそこがいい。

それから北川さん改め里保さん(井上さんと北川さんだったものが一緒に働くうちに樹木ちゃんと里保さんに代わるのは定番だけどいい演出だよね。それがあるから樹木が里保のくやしさをわかっていながら自分の作品が商品化されることになり“喜んでしまった”ことに強い罪悪感を抱く気持ちがよくわかる)がこのポジションにしては華がなくて弱いなーと思っていたのですが、猪木のモノマネをやった瞬間「このひと悪い人じゃない」と思えたし、それがラストの「里保」と名前で呼んでの「無理して笑わなくていい」に繋がるのはいい流れだった。

ていうかこのシーンの物陰から里保を見てる浅羽の表情がイイよねー。ああいう表情させたら倫也くんはピカ一。

里保のシュークリームが配送の耐久性をクリアできなかったのに対し、樹木(と太賀)は試作のときから耐久性を考えて開発してたこと、今回の勝敗の理由はそこにあったのでしょうが(だから樹木のシュークリームが3日で耐久テストをクリアできたこと自体は納得の展開)、これは里保の企画が“初めて通った”ことと関係があるのかな?。太賀は企画に対し配送問題も含めての商品化するためのレシピ開発経験を積んでいるのに対し、里保はただただ「美味しくてインパクトがある新しいシュークリーム」を作ることしか考えてなかったということであるのなら、そこを見抜けなかった浅羽以下審査員にも責任があるだろうし、そういう意味で最も責任が重いのは元開発課長の一岡だろう。

ってところで、ハマリ始めた石橋静河に対し初回はよかったものの2.3話は息を潜めてる感じの市川実日子がそろそろ動きだすかな?。新商品発表会のあと都築と浅羽が言葉を交わすのを見ていた神子(このシーンの倫也くんとヤマコーさんは完全に別のドラマだったw)の動向と併せてここは結構期待してる。